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#30
「あのオークには悪いことしたッス……」
出かけてる間に自分の家が爆破されてたら、そりゃ誰だって怒る。大勢で追っかけるのもある意味当然だろう。
けど、ここで疑問が1つ。
「そんだけすげえ魔法が使えるなら、どうして逃げ回ったり、オイラに助けを求めたりしたんスか? 自力で倒せるはずッス」
尋ねると、ハギの額に汗がタッラー。
「実は恥ずかしい話なのですが、巣穴を爆破するのに全ての魔力を使い果たしてしまいまして。今も残っていないのです」
「どんだけ殺す気だったんスか!? オークにどんな恨みあるんスか?」
「ムシャクシャしてやりました。誰でもよかったです」
「余計タチが悪いッス!」
話せば話すほど、ハギの性格に潜んだ歪みがクリアーになってくる。面接官の判断はどうやら大ピンポンだった模様。




