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#19
気が付けばみんないなくなって、テツヤは森の中でまた1人。
(さっきの子やオークを追っかけた方がいいッスか? それとも離れるッスか?)
どう対応すりゃいいやら見当がつかなくて、グルグル回って途方に暮れる。すると。
「きゃああ、助けてー!」
迷いをかき消す悲鳴アゲイン。ここまでどストレートに助けを求められると、さすがにスルーするのも後味が悪い。
「あーもう、しょうがねえな!」
テツヤは短く吐き捨てて、オークの向かった方へとダッシュ。
そんなに走らないうちに見えてきたのは、かなりデカめでいかにも森の守り神的ポジションにありそうな巨木と、その根元に倒れた少女。そして彼女をグルーリ囲んだオークたち。
どうやら逃げてる途中で、根っこか何かにつまづいて転んだ模様。




