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「だから今のオイラがあるのはアニキのおかげッスけど、もしいろんなタイミングが違ったら、アニキに会わない別の生き方をしてたとも思うんスよ」
もし高校入試の日に熱を出さなかったら。
もし滑り止めの高校をちゃんと選んでたら。
もしタバコを見つかった日に見張りを断ってたら。
もしガソリンスタンドのバイトに受かってたら。
今に至るまでの過程に無数の分岐点があって、その結果テツヤは鉄砲玉に失敗した挙句アニキに見捨てられて、異世界で組を構えることになった次第。
「だからあのユベシってガキも、オイラたちなんかと関わらないで、もっとマトモな生き方ができるんならその方がいいと思うんスよ」
「言いたいことはわからんでもないがなあ」
しみじみ語るテツヤに、ネリキリが口を挟む。
「この町に住んどる連中に、マトモな生き方ができるようなヤツはおらんぞ」
ここはクズどもが流れつく底の町。子供だって例外じゃない。




