第94部
外に出て、すぐに町から出た。
「このそばの国は、「ファインデ」と言う国よ。その国は、巨大な軍がいるの。今の皇帝もこの国の出身よ」
エリスが言った。今まで、ずっと整備されていた道路を通っていたせいか、敵はいなかった。
「そう言えば、扉って結局、何だろうね」
「昔、扉と言うのは、外と中、つまり2つの世界をつなぐ通路の役目があったんだ。でも、そのほかにも、この世界と別の世界をつなぐ壁のように扉は利用されてきた。多分、この扉もそんな感じだと思うよ」
いつの間にか、車は、国境に挿しかかった。
「止まれ!」
ファインデ国の兵士に車を止められた。
「これ以降は、ファインデ帝国の領土である。なぜ、この国にこられたか、理由を述べよ」
「我々は、開放の民である。我々は、扉を探している。それでいいか?」
「……了解した。では、武器の類はないか?」
「ああ」
学と桜は、神の剣を出した。すると、兵士は顔が青ざめていき、「ここで、しばし待たれよ」と言って、建物の方に走って行った。
「これが、どうしたんだろうな」
学はつぶやいた。
そして、30分程度、たってから、ここの司令官らしき人が現れた。車に近づき、そして、話し始めた。
「私は、この、第3国境検問所所長サイファ・マグガドリルです。あなた達は、なぜ、この剣を所有しているのでしょうか?」
突然、敬語で話された。
「神から授かった、と、でも言えば満足ですか?」
「はい、結構です」
「ひとつ聞きたいんですが、どうして、この剣のために、この検問所の所長さんが出てくるのでしょうか?」
「とある伝説がこの国にはありまして、「昔、一対の神が降りられた。神は、それぞれさまざまな知識があり、それを元に、さまざまな人をおつくりになられた。そして、神は、それぞれの長に剣を贈られた」。そして、その剣が、この白と黒の剣だと言うのです」
「そうか…いろいろと伝説があるんだな。とにかく、通っていいか?」
「はい、もちろんでございます」
車が通り過ぎて言った後、所長は、どこかへ電話をかけていた。
「ここが、この国の首都か」
「すぐに着いちゃったね」
「ここは、帝国だから、皇帝がいるはずだけど、その皇帝は、ネロなんだって。で、ネロは、年に何回か、この都市に降りているそうだよ」
「今は?今は、ここにいるんか?」
「偶然にもね」
この帝国の首都である、「ワイトポール」は、歴史の町であった。世界で最初に文明が起こり、以来数千年間にわたり、この世界の頂点に君臨していた。今、彼らがいたのは、そんな町のちょうど中心にある革命広場であった。この広場は、この国が、4つある国の内、4つが統合するきっかけを作った。そして、作られた国が、連邦帝国であった。それぞれの国にあったすばらしい美術品の数々は、全てのこの都市の美術館に収蔵されていた。そして、そんな都市の中でも最も豪華な風体をしている建物があった。それが、皇帝の館であった。そして、一行は、そこに向かった。
広場のあちこちでは、2人1組で兵が見周りをしていた。そして、学が、館の扉をたたこうとした時、勝手に扉が開いた。そして、まねいているように、奥で火が踊った。
「行ってみよう」
学達は、その火を目指して慎重に歩き出した。
数分後、ひとつの部屋の前にいた。
「ここは?」
中から声が聞こえる。
「よくぞ来た。さあ、入りたまえ」
扉が内側に開き、学達は、中に入った。全員はいると扉が閉まり、部屋が急に明るくなった。
「うっ!」
目が痛かった。今まで暗かったところにいたから、目が慣れてしまったのだ。
「よく来た。余こそ、この世界を統治している皇帝、ネロだ」
「あなたが、ネロですか…」
その時、床から振動を感じた。
「ははは、案ずるな。飛行し始めただけだ。余の住居は、この空飛ぶ船でな。ははは」
高笑いをした。そして、学達の前に用意して会った椅子に座り、彼らにも座るように言った。全員座った時、
「さて、君達が、ここに来た理由は既にわかっている。そして、それが、300年前に閉じられた空間移動に関する事だと言う事も。そこで、ひとつ教えといてあげよう。余は、神から授かりし宝こそあれど、扉までは持っていない」
みんな、顔を合わせた。実は、皇帝の船のどこかに扉があるという考えだったからだ。
「では、その神から授かった宝と言うのをくれませんか?」
「それは出来ない。するんなら、余を倒してからにしたまえ…」
瞬きをする暇も無いぐらいの短い時間の間に、皇帝は、血を吐いて倒れていた。
「お、お前は…一体、何者だ?!」
「偶然手が出てしまった、たんなる魔道士ですよ」
勇雄はにこやかに言った。ゆびには、あの時もらった神の指輪が神々しい光を放っていた。
「さて、あなたを瞬殺しました。これで、くれるでしょう?」
にこやかに言葉を続ける勇雄。周りの人は、ただ、ぼうぜんと立っていただけだった。一拍おいて、皇帝はため息を付き、そして、「いいだろう、こちらにおいで」と言った。




