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第96部

第36章 元の世界へ帰還


「う、うう〜〜ん」

目を開けると、学ぶの目の前に顔があった。とても喜んでいた。何か言っているようだったが、何も聞こえなかった。

「ただいま」

学はそれだけを口にした。


おきてから、1週間がたった時、学達はようやく立てるようになった。気象庁は、この地震の死傷者はいないと発表した。だが、理由は永久にわからなかった。知っている人だけが、知っていた。


帰ってきてから初めて立った時、ポケットに違和感を覚えた。高校の制服の上着のポケットを探すと、電子辞書が入っていた。学は、同室だった、桜と勇雄も同じ物を持っている事に気づいた。そして、彼らと見せ合った。電子辞書を開けると、何か文章が入っていた。みてみると、短い手紙であった。

「親愛なる我が友である学君、元気かね?これを読んでいると言う事は、君は既に元の世界にいて、立って歩けるほどまで回復しているのだろう。君達にこれを差し上げたい。これは、心ばかりのお礼だ。こちらに連れてきてしまった詫びも含まっている。使い方は、自分で見つけるんだ。最後に、君達、最後まで残った12人には、それぞれ神が守護する事になった。君の守護神は、ガイエン神だ。では、また会う日を楽しみにしている。

 イフニ・スタディン宇宙軍名誉大将」

学は、他の二人の手紙も見た。桜は、カオス神が守護していた。勇雄は、スタディン神であった。だが、クシャトル神も多少関与している事を書いていた。

「とりあえず、帰って来れたんだ。これで満足するかな?」

電子辞書の電源を付けた。最初に出てきたのは、魔法辞典だった。他にも、基本的な国語辞典や百科辞典などあった。

「なぜ、魔法辞典が最初に出て来るかな」

「いいんじゃない?とりあえず、早く退院しよう。それからだよ、話は」

その後、1週間して、全員退院した。


エピローグ


あれから、30年の月日が流れた。桜と学が、結婚し、そして、子供をもうけた。3男3女。突然大家族になった。一方で、いろいろ言われながらも、血族の保存が優先されるべきだと言う意見に押され、勇雄も結婚した。相手は、佐古だった。革と努も狙っていたらしいのだが、彼らは、別の相手と結婚した。


「そうか、もうそんなに経つんだな」

感慨深げに話した。学と桜、勇雄と佐古、それに、革と努もいた。子供達は、全員同じ部屋に押し込んで昼寝をしていた。

「そう、あれから30年。何事も無く、生活できた事に乾杯」

静かにグラスを合わせた。中で、白ワインが揺れていた。グラスをもてあそびながら、勇雄が話した。

「あれから、エネルギー系の魔法が急にうまくなってね。これも、スタディン神のおかげかな」

「宇宙軍にも入隊していたわね、魔法顧問として」

「そうそう、あれには驚いたよ。よく、エリスがいいって言ったわね」

「彼女、ここ最近すねちゃっていてね。「私のことも忘れるな」ってね。いつでも、意識はしているけどね。ただ、彼女、気づいていないだけみたいなんだ」

「誠意、を見せたら?」

「誠意ってなんだろうな。昔から、男は女に誠意を見せるものだって、言っているけどさ、結局の所、誠意そのものがわからないんだから、そんな事、不可能だって」

時計が、4時を告げた。

「あ、もう4時か。そろそろ帰らないと。そう言えば、神々から、何か連絡とかあった?」

「いや、ないな。あの時以来は」

「そうか、じゃあいいんだ。さて、子供を起こしてくるか」

部屋の扉を開け、軍隊式の掛け声をかけた。全員ゆっくりとだがおきた。

「じゃあ、またね、部長」

「ああ、また来いよ」

4人の子供を連れて、勇雄と佐古は帰って行った。

「じゃあ、自分達も、帰るよ」

革と努もそれぞれ3人の子供を連れて帰って行った。

「夕飯の準備をするか」

「じゃあ、手伝ってくれる?」

「ああ、いいとも」

テレビをつけると、あの惑星地震から30年であると言う内容の式典をしていた。さらには、連邦発足710周年記念行事もしていた。

「人生、これから。世界も、これから。か」

学は、空を見上げながら言った。

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