第二話 6体の竜《ドラゴン》の姿 ~前編~
「──ん……」
ヘレナが再び目覚めた場所は、辺りが草原のように緑で埋め尽くされた場所だった。
そしてそこには横たわる5人の姿。
ヘレナは5人のもとに駆け寄り、そして呼びかける。
「フローナ? ねぇ起きて? エレン、アランも。ねぇ……ウィリー? スティーブ? 皆、起きて……」
ヘレナは今何が起きたのかよく分からず、少し困惑しながらも皆を揺すり呼びかけた。
「──ヘレナ、か……。俺は……いつの間に寝てたのか……」
ヘレナの呼びかけに一番最初に気づいたのはスティーブだった。
彼は手を頭にやり軽く頭をふる。どうやらぼーっとしているらしい。
「……ここは……?」
その声に振り向くと、フローナが体を起こし辺りを見回していた。
そしてエレンとアランも共に目を覚ます。
「……俺は……いったい……」
「──……」
……──なぜかウィリーが目を覚まさない……
「ウィリー……?」
ヘレナがウィリーの体を揺するが返事は返ってこない。
「おい、ウィリー。いつまで寝てるつもりだ。──蹴飛ばすぞ」
「──ん~……」
スティーブが足を後ろへとやったとき、ウィリーが目を覚ました。
そしてウィリーの目にその足がうつったのだろう。彼は勢い良く飛び起き、
「わぁぁあああ!!! やめてっ!! やめてやめてぇ!!! 起きるからっ! 蹴飛ばすのだけはやめてぇぇええ!!!」
そう必死に叫んだ。
スティーブの足が地に戻る。それを見て安心したのか、ウィリーは辺りを見回し呟いた。
「ここ……どこ……?」
「私にもわからない。気づいたらここにいたの……」
ヘレナも同じように辺りを見回しながら答える。どこを見ても緑一色というような感じだ。
「──映画館じゃないのは、確かみたいだ……」
「じ、じゃあ……もしかして……神様がいるところ……?」
アランが何気なく言った事に、ウィリーは少し体を縮こまらせて小さくそう言った。
「…………」
──しばらく沈黙が続いた。
そしてその沈黙を破ったのはエレンの一言だった。
「──違うと思う」
「どうしてそう言えるの?」
フローナがそう問いかける。するとエレンはうつむきながら答えた。
「夢を……見たから……。
竜の夢──……
だから……なんとなく──……」
「「「「「──!!!」」」」」
皆の目が見開かれ、そして一斉にこう言った。
「「「「「私も見た……!!!
俺も見た……!!!
僕も見た……!!!」」」」」
「「「「「「──え……?」」」」」」
同時に同じ言葉を口にして、そして同時に同じ反応をする。
ヘレナは皆の顔を見ながら、
「──皆も……竜の夢を、見たの……?」
小さくそう言った。
その言葉はその場にいる全員が思っていたことだった。
当然のことだろう。
6人全員が竜の夢を見る、なんてことはなかなか起きない。
これは偶然か必然か……。
何かの意味をもっていることだけは、この場にいる誰もが察していた。




