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15.流砂の先は

「ここは・・・」


壁に掛けられた燭台の灯りに照らされた壁は、ゴツゴツとした岩肌が見て取れる。天井はに闇が広がっている。流砂に吸い込まれたが、ここへ落ちてきたわけではない。

そして、ここへ送られた(・・・・)という事も、足元の規則的に敷き詰められた石畳とそこに描かれた魔法陣が教えてくれている。


壁の燭台の灯りが、一つ、また一つと奥へと続いて行くのが見える。

(こっちへ来いってことか・・・)



逃げ道もない以上、進むしか無い。意を決して石畳の通路を進むこととした。



途中、罠やモンスターを警戒しつつ進んでいたが、何が起こるでも無く正面に出口らし明かりが見えてきた。と、同時に何者かがいる気配を感じた。それもかなりの数だ。

既に俺がここに居る事は気づかれている筈だ。その上でここまで襲ってくる気配がないって事は、単なる罠では無いだろう・・・多分・・・。



『こちらへ・・・』


通路の先は、玉座の間と思われる広間へと続いていた。

広間の側面入口に立つ俺を出迎えるように執事風の男が軽く頭を下げて、俺についてくるよう促してきた。衛兵が左右に並び、玉座に座る男へと続く通路を形成していた。衛兵はフルプレートの鎧に、フルフェースの兜を身を包み、一切の表情が見えない。それどころか、息遣いも感じさせる事はなく、生きているのかさえ不明だ。なんといってもリッチが送り込んだ先だ・・・(死人の世界って事もあるよな・・・)そんな事を思いながら、玉座へと歩を進めた。

玉座の主人を目視できる位置まで来たところで、執事は振り返り、俺に止まるよう促した。そして、執事は玉座に座る男とのもとへ進むと、玉座の横に控えた。

だが、俺の目は、玉座に座る男から目をそらす事は出来なかった・・・。端麗な顔立ちで、一見若そうではあるが、見た目に騙されてはならない。恐らくあれは・・・



悪魔?・・・魔王?・・・当たらずとも遠からずだろう。



俺がそうした様に玉座の男もまた俺を一通り値踏みをしている様だ。


『ルシフェル様の御前である。 平服したま・・・』

執事が俺へ告げ終える前に、それを遮った。

『良い、ルキフグスよ』


『ようこそ 我が館へ、 我が名はルシフェル。 久々の客人だ、歓迎しよう』

(はっきりルシフェルと聞いたぞ・・・ やっぱりアレだよなぁ・・・いきなりの大ボス登場⁉︎)



『我が名は知っておろう? 君らの世界でも魔界の帝王として周知されておる様であるからのぉ ハッハッハッハ。 そう警戒せずともよい』

玉座の男は笑みを浮かべながら、話しかけてくる。


『実は君がここへ送られる少し前から観察させてもらっておった。ちょうどリッチ・・・アンデットと遭遇したところだったか。 あの者からの連絡は初めてだったので、気づくのが遅れてしまったがな フフフ』


「で、何のために俺を此処へ?」


『そっくりそのまま君にに尋ねる。君たちは何をする為にあの世界に来たんだ? それを聞きたくてね』


(これは・・・正直に答えるべきか? それとも・・・)

暫く沈黙の時間が流れたところで、玉座の男が言葉を続けた。


『フフフ・・・。 話せぬのか? 我が何も知らぬと思っているのか? 人間よ。君らが別世界から来たことくらいは承知しておる。そして、何者が君らを送り込んだのかもだ。全てを知った上でもう一度尋ねよう・・・君たちは何をする為にここへ来たのか?』


「・・・」

『小僧! ルシフェル様に対しこれ以上無礼を働くのであれば、容赦はせぬぞ!』

隣に控えていたルキフグスの形相が、いつのまにか嶮しくなっていた。

ルシフェルは右手を軽くあげ、ルキフグスを制した。


『意外と口が固いな・・・だが、良い心がけだ。そうそう信用するものではない。』


『では、我が話そう。 君たちがこの世界へ来た理由は世界を救うため、かね? 』

「!」


『驚く事は無い。 君たちだけでは無いし、今回が初めてということでも無い』

「どういう事だ? 確かに俺たちは人類を救う為に此処へ来た! だが、今回が初めてでは無いとは・・・」


『ここで説明したところで、信用できまい。 真実は自分で探すが良い』

全てを知った上で、俺を呼び寄せた理由は何だ? 俺の動揺を誘うのが狙いなのだろうか。もしかすると、地球に現れるという化け物を創っているのがこの男で、金髪の女の子達の動きを調査する名目で近寄ってきたとか・・・そんな事を考えていたところ・・・。


『翔・・ ・我が配下となれ!』


「はぁいぃ?」




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