1:中編 困惑
レイがエンデュミオンを呼ぶとき、"エンデ"から"エンデ兄"に修正しました(元々そっちの予定だったのに書き忘れていました)
☆ ユダ視点
ーーーーエンデが死んだ
その言葉を認識した瞬間、頭痛と吐き気と目眩が一斉に襲いかかり、急激に押し寄せたストレスに耐え切れなかった脳は仕事を放棄し、司令塔からの連絡が途絶えた肉体は重力に従い倒れーーーー視界に崩れ落ちる親友が映った
「アルっ!?」
唇を噛んで飛びかけていた思考を戻し踏み留まる
そしてアルの体が地面に体をぶつかる前に両腕で支え、一応体に異常がないかを魔法で診察する
ーーーーーーーー肉体は健康だ
その診察結果に安心すると同時に、大きな無力感が沸き上がる
白魔法で治せるのは外傷だけで、心までは癒してくれない
ーーーー僕ではアルを救えない
いや、 "を" ではなく "も" か
『あの日』から何も変わっていない
肝心な場面で僕はいつも力不足だ
父のときは武が足りなかった
母のときは武を扱う精神が足りなかった
エンデのときは技術が足りなかった
そして今は知識が足りない
ーーーーーー足りないものばかりの自分が憎い
憎くて憎くて何もかも嫌になって、視界に映る全てを壊したくなってーーーー
「『いいかげん戻ってこい!!』」
「ハイッ!?」
「大声を出してすまないな。だがこれ以上放っておくと危険だと判断したのでな。〈神言〉を使わせてもらった。辛いならイグニスに病院まで案内させるがどうする?」
そう言ってイルは掌サイズの光の球、神工精霊ウィルオウィプスを召喚した
レインは心配そうにこちらを見ている
............たしかに今回は危なかった
あのままだったら鬼になって暴れていたかもしれない
その場合一番危険なのは腕の中にいる親友だ
そう思うと本当にゾッとする
だが
「いいえ、必要ありません。レイ、今までに何があったのか、詳しく話してくれ」
今は休んでいる場合ではない
アルを助けたいなら時間が無いのだ
「ユダ兄......無理してるよな?」
「......まぁね。でも今病院に行っても、話が気になって心が休まらないから聞く方が楽かな」
確かに無理はしているけど、これは本音だ
けど、だからといってーーーー
「そう......でも話す前に......アズダイル様、席を外していただけませんか?」
「ほぉ?我が居ては話せんのか。まぁ席を外すのは構わんがその前に......幾つか聞きたいことがあるのだが、構わんかね?」
「えぇ。なんでしょうか?」
「君はその二人の味方か?」
「はい。クロッカスの名に誓って」
「ふむ......嘘ではないか......やはり解らんな。それではなぜ、貴様はエンデ君を殺したのかね?」
ーーーー無理にだって限界はある
義弟がエンデを殺しただって?
当然信じられない
だがどちらも嘘を言っているようには見えない..................
やっぱり気絶して良いですか?




