21話 驚きの結末
村人に引き摺られて村まで戻ってきましたよ。
あーあ、これで俺の命運もここで終わりか……。
村人達が大きな穴を掘ってるよ。
あそこに埋められて火葬かなぁ……。
エルがこの村ではなんか重要人物っぽいし、襲った犯人だとでも思われたのかな。
言葉が通じないってほんと不便だね。
それ以上にこの姿が一番不味いんだろうなぁ……。
結局、こんな姿で人と関わりを持ったのが失敗だったのかな。
あ、穴は掘り終わったのかな?
ん? ちょっと浅めな気もするが、まぁどうでもいいか。
あーそう埋めるのか。根っこを埋めて、周りを土の魔法で固めていくってか。
逃げれないようにかなぁ……。
なんでだろうね、俺、そんなに悪い事したかな?
色々と全滅させちゃったけどさ、この仕打ちは酷くない?
あー、なんかの液体が掛けられたね。
油かなぁ……。やっぱり燃やし尽くすつもりーー
ん? いや、これ油じゃねぇな?
この力が湧いてくる感覚は何処かで……。
あっ! あのクラゲを吸った時のだ!
え? どういう事?
報復で焼かれる訳ではないっぽい……?
あっれー? なんでエル、俺に向かって跪いてるの!?
村人達は平伏してるし、どういう事さ!?
……おい、小鳥達、いつの間に戻ってきた?
いや、まぁいい。小鳥達が帰ってきたって事は危険ではないって事だ。
うーむ、どうやら崇められているような気はする。
でもさっきの逃走劇は何だったんだ?
本気で死ぬかと思ったぞ……?
とにかく、さっきはすぐ立ち去るつもりだったからよく見てなかったけど村の様子を詳しく見てみよう。
なにか分かるかもしれない。
あーなんか寂れてる村だね。
村の真ん中にある大樹は枯れてるし、作物もまともに育ってなさそうだ。
よく見たら村人たちもやせ細っているね。
……なんとなく読めてきた。
俺はあの枯れた大樹の代わりか!
つまりあれか、エルが大樹の代わりになりそうな俺を連れてきて村人たちは大喜びしてた訳だ。
それなのに俺が立ち去ろうとしたから慌てた訳だ。
かといってあれはどう考えてもやり過ぎだけどな……。
そして今その謝罪兼懇願をしている訳か……。
……強引な方法には文句も言いたいけども、このまま見捨てるってのも気分は悪いよなぁ……。
うーん、うーん、うーん……。
元々何がなんだか分からないままこんな世界にやってきた。
短い期間に何度も死にかけてもいるし、そもそも俺には目的もない。
いっそここで定住して、この村を守る木になったっていいんじゃないか?
根を張る範囲を広げればこの村の現状を救うのは多分出来る。
なぁ、小鳥達よ?
ははっ! お見通しか!
小鳥達みんな頷いてるよ。小鳥達も一緒にいる気だな?
よし、決めた! この村は俺が守ってやろう!
なんか上から目線になっちゃったな。共に過ごしていこう!の方がいいかな?
よし、そうと決めたなら早速やるか!
小鳥達、手伝ってくれ!
葉っぱをクラゲのものに変えて小鳥達に運んでもらえば、作物も急激に回復していく。
ただし、完全に枯れた大樹だけは復活は無理だった。
ははっ! 村人たちは盛大に驚いた後に歓喜しているよ。
村人たちにも栄養たっぷりの果物を渡そう。あと、エルと小鳥達が作った魚の干物もね。
そうして俺は、異世界での定住の地を見つけたのだった。
そしてその俺が世界樹と呼ばれ、世界中に恵みを与えることになるのはもっとずっと後の事だった。
木になってどうなることかと思ったけれど、案外なんとかなるもんだったね。
〜終わり〜
これにて終了です!
ぶっちゃけ見切り発車だったので、ネタ切れです!
ここまで読んで下さりありがとうございました!




