作戦
翌日、午後十時。古賀は刹那と永劫と待ち合わせした喫茶店にて二人と合流した。変装した二人はカップルにしか見えない。実際そうらしいが。
「よし、作戦を説明する」
「はい、よろしくお願いします」
永劫が切り出した。刹那はコーヒーの湯気をじっと見つめている。
「まず、敵の事務所へBクラスの先発隊にいってもらう。敵の注意をひきつけるんだな。そのすきに俺たちは組長を狙う。なに、命をとろうってんじゃない」
「再起不能にするだけ。私たちは普通の人間を殺めたりはしない。しかし、アンザイの用心棒もいるはず。こちらは見つけ次第排除する」
刹那がティースプーンを弄りながら続ける。古賀は彼女が味方で良かったと心から思った。
「よう、永ちゃんここにいたか。こっちはオッケーだぜ」
「そうかそうか。二人とも行くぞ」
不意にアロハシャツの中年男性が声をかけてきた。彼はBクラスの御庭番衆でメガエネルギーを摂取した一人、エリオット。古賀も彼とは面識がある。そして、彼が呼びに来たということはつまり、出撃準備が整ったのだろう。
彼に従い古賀たちは店を出て、ワゴン車に乗り込んだ。どうやら古賀と刹那と永劫の他にエリオットを含む四人が作戦に参加するようだ。
車に乗り込んだとたん、エリオットの顔つきが変わった。
「それでは、出します」
ワゴン車は人通りのない道を進み、目的の場所へ着いた。
「あれ?」
古賀は違和感を感じた。距離があった筈なのに早く着きすぎでは……?
「到着だな。エリオット、先発隊長の任務任せたぞ」
「はい! お前ら、行くぞ!」
アロハシャツの男、エリオットは部下を引き連れ事務所へ突撃していった。エリオットのもつ能力は確か音波を操ることだったはず。つまり、彼がいる限り外に音が漏れないのだ。今回の作戦では重宝する能力だ。
残りの三人は車で五分待機。
「俺たちもいくか」
時計を確認して、永劫が言った。
「はい、任務を果たしましょう!」
古賀も血気盛ん。憧れの先輩と肩を並べられるのだから。
ドアを開き、三人はお勤めに向かった。




