第百二十四話 今日も、また
【注意事項】
本作品には自殺や精神的に重いテーマが含まれています。
読む際にはご自身の心身の状態を十分にご考慮ください。
心の不調を感じた場合は、無理に読み進めず、専門機関や信頼できる人に相談されることをおすすめします。
※この作品はフィクションです。登場人物・団体・事件はすべて架空であり、現実の自殺や暴力を肯定・助長する意図はありません。
僕たちは部屋を出た。
「お邪魔しました」
「あら、もうできるわよ」
「十分です」
「お気持ちだけ頂いておきます」
おばさんは少し残念そうな顔をした。
「大我の様子は?」
「少し、話をしました」
小島さんが答える。
「あとは、本人が決めることだと思います」
「そう……」
おばさんは、少しだけ黙った。
「ありがとうね」
「いえ」
その時、後ろから声がした。
「おい、お前ら」
振り返ると、室賀さんが立っていた。
「。。。なんだ?」
そこで言葉が止まる。
「。。。いや、なんでもない」
「そう」
僕たちはそれ以上聞かなかった。
家を出る。
玄関の扉が閉まる音が、妙に大きく聞こえた。
しばらく歩いてから、小島さんが口を開いた。
「先生には、明日私から今日のことを伝えておくよ」
「。。。いや」
僕は少し考えた。
「なんとなくだけど、僕も彼の様子を先生に伝えたい」
「いいと思うよ」
「じゃあ、明日の朝七時三十分。下駄箱前で」
「うん」
「じゃあ、また明日」
僕たちは別れた。
家に着くと、急に疲れが押し寄せてきた。
靴を脱ぐのも面倒なくらいだった。
そのままベッドに倒れ込む。
僕は泥のように眠った。
――気づくと、真夜中だった。
昨日と同じ時間。
僕は目を覚ました。
時計を見る。
午前二時。
「。。。またか」
この前と同じ時間だった。
けれど――違う。
天井を見つめる。
何もない。
当然だ。
部屋には僕しかいない。
それでも、昨日とは何かが違っている気がした。
「腹減ったな。。。」
冷蔵庫を開ける。
目に入ったのは、きゅうりだった。
「。。。きゅうりでいいか」
きゅうりの両端を切り落とし、細かく刻んで口に咥える。
「この前よりかは、マシかな」
小腹を少し満たす。
時計を見る。
まだ午前二時過ぎ。
「今日も早いんだったな。。。」
少しだけ笑った。
「もう一眠りするか」
僕は目覚ましをセットして、布団へ戻った。
目を閉じる。
今日のことを思い返す。
「世の中、理屈だけでは回ってないか。。。」
少しだけ考える。
「。。。確かに」
やがて、眠気が戻ってくる。
気づくと、朝だった。
カーテンの隙間から光が差し込んでいる。
目覚ましを止める。
「。。。朝か」
もう少し眠りたかった。
でも僕は布団から起き上がる。
制服に着替える。
鞄を手に取る。
そして、玄関へ向かった。
「さてと。。。今日も行きますか」
靴を履く。
ドアを開ける。
朝の空気が、少しだけ冷たかった。
「たまたま、朝早く起きられたことだし」
いつもご愛読賜りまして、誠にありがとうございます。
重く深いテーマに向き合いながらも、登場人物たちの物語はなお続いております。
彼らの心の揺れや選択の行く末を、これからも温かく見守っていただけますと幸いに存じます。
一歩ずつ前へ進む姿を、読者の皆様と共に感じられますことを心より願っております。
次回も変わらぬご厚情を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
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次回更新日:9月06日 10時,14時,18時,22時(社会情勢によって変動。)
お付き合いいただきありがとうございました。




