私は…死亡エンドの悪役令嬢!?
目を開けると、そこには豪華で品のある壁紙とそこに下がるシャンデリアがあった。そしてなぜか既視感のある綺麗な顔の人たちに囲まれ、触られていた。
「まあアリスなんてかわいいの?フフ」
「さすがマリスの子だな」
「ほっぺすごくぷにぷにだね!」
なんなんだこの情報量の多い状況は。
ぐるぐると考えていると、ふと自分の口から声が漏れた。
「ふぇ」
「ママよ、ママってよんでごらん」
「声までかわいいな」
「アリスがしゃべったー!」
、、、最初からもしかしたらとは思っていたけれど。
もしかしなくてもこの展開はいわゆる “異世界転生” というやつでは!?
しかもこの綺麗な顔の人たちは... 。私のやっていた乙女ゲーム『白王子と黒王子の願い星』に出てくる、悪役令嬢一家では___
「んぁ…?」
ここでようやく違和感に気づいた。
若すぎる。目の前にいる人達が記憶よりも若すぎるのだ。それに、あまりにも雰囲気が明るすぎる。
ダークな雰囲気が人気を博した、黒王子こと悪役令嬢アリスの兄、ルークベリスもニコニコ笑顔でなんとも幼なくかわいい様子である。
「おぁ…」
あれ?ちょっとまて。ちょっと。一旦落ち着こう。
今私の目の前には悪役令嬢の兄をはじめとし悪役令嬢父、母という悪役令嬢一家がいる。
ということは、だ。今のこの私の体は。
「…悪役令嬢」
その言葉が思いついた瞬間、私の思考は凍りついた。
『白王子と黒王子の願い星』には、主人公ヒロインをこっぴどくいじめた結果、白王子から婚約破棄され、断罪される悪役令嬢がいた。
しかも、なんともざまぁなことに、その令嬢はどの攻略ルートであっても最終的には命を落とす。
国外追放ののち殺し屋に秘密裏に葬られるか、殺人未遂罪でギロチンか。
他にもあったけれど、たしか全て終わりは死だったはず。
「ばぶぅ」
私は1度視界にある自分の体を見て、周りを見てみる。
そこにはぷよんとした赤ちゃんの体とそれを取り囲む若くて綺麗な顔たち。
_______認めたくないが、どうやら私は、悪役令嬢アリス(赤ちゃん)に転生してしまったようだ。しかも死亡エンドの_____。




