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***蝶々の粒子***  作者: 音羽
旧世界の眠り
33/33

初夏の迷路-6


「っていうか、これだけ色々話したんだもん、もう仲良し。だよね?」

晴が少し不安げな色をのぞかせながら、タオルの隙間に見える夜子の相好を伺うように聞いた。

「……友達になるってこと?」

「そうそう。」

晴は何度も頷き、今しがた夜子から貰った水色髪の人形を顔の前に掲げ、誇らしげに言う。

「これは、その証ってこと。」

二コリと笑う人形の口元と晴の顔を交互に目にして、夜子も笑顔を取り戻していく。

「それ、美野和さんにちょっと似てるね。」

指さして言うと、晴はきょとんとして人形と見つめあった。

「えーそうかな?まあ、頭の形は丸くて良い形だってたまに褒められるけど。」

そしてしばらく悩んだ末、少しずれた見解を述べる姿に夜子は無意識で噴き出した。

「何で笑うの!?だってこれ超丸い頭じゃん!!」笑われたことに照れて、言い返す晴に夜子は笑いがとめられない。

「美野和さんと一緒にいると、色々気にならなくなるね。」

自然と出てきた感情は、そのまま言葉になって舌を滑る。

それを聞いて、夜子の笑い顔を見て、晴はまたしても耳を染めた。

「そっちの方がいいよ。」

晴も成り行き任せに言葉を紡ぎ。


「そうした方がいいよ。」

力を込めて繰り返した。







――――ヨルの笑顔が、荒んだ心を幸せにしてくれることに、この瞬間気付いてしまった。



初めて見えた甘い光




それをいつまで隣で見ていられるかなって、僕はずっと思ってた。




十年以上、思ってた。






この恋が叶うことはないし





だとしたら一緒にいれる時間を引き延ばすことだけ、ただ願ってたよ。










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