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澱界宮の探索者  作者: 赤上紫下
第 06 章

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23:寄り道終了

 最優先で排除するべき脅威だったと思われるオーク達は倒し切っていたものの、のんびりしていたら手遅れに、ってぐらいギリギリそうな要救助者も居る可能性も考えて駆け足で行動した。

 ひとまず所在がわかっていたオークの砦で救助を済ませてからは、もう少し捜索範囲を広げ、検出する条件の温度をもう少し下げてみたり、何か怪しげな魔力の塊でもないかを調べたり。そうこうしているうちに、赤色を基調とした色合いの、青色の子と緑色の子の仲間に見える服装の子を見つけたりもしつつ、ある程度の範囲の調査が終わったところでランス博士(エマ)が持ち込んでいた携帯用転移装置を利用して東京に帰還した。携帯用というだけあってちょっとした小部屋くらいの範囲しか飛ばせないらしいけど、中々便利な道具だと思う。

 改めて三人を見てみたら、やっぱり中学生っぽいなぁという印象。俺自身が中学生だった頃の記憶は曖昧だけど、ウィッシュが丁度、中学生付近と高校生付近の二つの身体を使ってるから、ある程度の傾向の違いはわかるからね。

 ともかく、喋れるオークから魔法少女なんて呼ばれていた光の三原色っぽい三人は三人組だったらしく、飛ばされる前に居た公園に帰還すると揃って礼を言いながら飛んでいった。真っすぐ、来た時と同じ、織宮さんが案内しようとしてた方向に。


「あー……案外、織宮さんが案内しようとしてた所に居たりして?」

「それは……と、通り過ぎてるかもしれないですし?」

「……まぁ、それもそうか」

「ですです」


 わかっているのは方向だけ。要救助者を捜索させていたアクリル板のゴーレムは収納してしまったから、今の俺にはわからない状態になっている。ゴーレムを使わずに再現することも可能ではあるけど、それもしてはいない。

 ただ、少なくともランス博士(エマ)はそういった何かを備えているし、他にもモンスターの索敵に使えそうな何かぐらいは持ち合わせてそうな人はこの場に居合わせてるんだよなぁ。正体を知ったところで、何かする人は居ないだろうけどね。

 向こうで見つけた要救助者については『治癒』の力で身体的な怪我は治されており、簡易的な衣類が博士らから提供されて、明かりが点いていてわかりやすかった近場の警察署まで送っていった。対策本部への連絡も同時にできてお得だったと思う。

 ついでに人が集まってそうな施設――公民館やら役場やら学校やらの位置も知ることができた。地図くらいはあるにしても、どこが利用されてるかって情報はなかったからありがたい。

 ……人が集まってる場所を調べる手段はあるけど、それはそれとしてね。


「そういえば、色々忙しくて聞きそびれてましたが、オークって言っても色々居るものなんですね」

「そうだね。同じ地域に現れる同種のモンスターであれば外見や性質もほぼ一致するものだが、同じ世界の同種のモンスターでも地域が違えば性質も異なることは少なくないのだよ」

「はー、なるほどですねー」

「うむ。あの大きさで一部だけは人間を対象にしたようなサイズのオークというのは、私も初めて見たね」

「……ランス博士大笑いしてましたもんね」

「うむ。人間型であのサイズ比は流石に、予想外すぎたのだよ」

「それはわかりますけどねぇ」


 シモの話ばかりなのはどうかと思うけど、まぁ、周囲のオークと比較した場合、体格に対する比率で考えれば異常に小さかったからなぁ。


「片腕だけ倍ぐらい大きいとか、身長一〇メートル越えで頭は通常個体と同じ程度とか、下半身が妙に小さい、みたいなのも居たりするんですかね?」

「うむ。オークではないが、そんな特徴を持つ個体が居た例も確かにあるのだよ。しかしそれなら外見でわかりやすいから、倒れるまで見えなかったあの個体の衝撃を超えるほどではないね」

「まぁ、それはそうですね……」

「だろう? ああいった大型個体は、通常個体と同じような比率で体格通り単純に巨大化しているものが多いからね。豚に似て先端がねじれているもの、何かの触手のように自在に動くものなどもあるが、周囲の通常個体と変わらない例は初めて見たのだよ」

「そ、そうですか」

「うむ。その理由を考えてみると、何が何でも人間を孕ませるという意思が強かったのかね? あのサイズなら人間に挿入しても、母体が生存する可能性はかなり高いのではないかと思うのだよ」

「あー……なるほどですね。同サイズの雌を対象にしないならそりゃそうなるか……」


 多少違う話にしようとしてもシモの話には戻ったけど、ランス博士(エマ)は真面目に特徴を語ってるだけのような雰囲気もある。特定部位が特徴的だったあの巨体のオークが悪かった……いや、シモの話がよろしくない話題だと思ってる俺が悪いのかな? ううむ。


「そういえば、あのオークに魔法少女だなんて呼ばれていた子達が居たが、彼女らはどういう力を持っているんだろうかね」

「それなら、かなり自由に空を飛べるのと、結構な速度での体当たりを仕掛けた後でも平気そうだったから頑丈さもあり、オークと戦える攻撃手段も何かあるんじゃないかと。日本人顔なのに髪だけでなく眉毛やまつ毛まで鮮やかな色になってましたし、服の色ともきっちり揃ってたので、変身……短時間で姿を変えたり戻ったりすることもできるんじゃないかと」

「ああ、色まではしっかり見ていなかったが、確かに。Lvを上げるだけで上級探索者並みになれる多彩さだね」

「いやー、それはどうでしょう?」

「ふむ?」


 スペックだけ見れば、空を飛べて頑丈で十分な攻撃もできそうではあるんだけど、探索者として迷宮に潜ったら別の問題がある。勿論、あの子らの能力がどうなってるかをしっかり確かめたわけじゃないから確定ではないけど――


「変身してない時は能力を発揮できず、変身してる時は常時光ってる、みたいなことがあったら無茶苦茶目立ちますよねアレ」

「それは……たしかにありそうではあるね。そうか、オンオフが一括という可能性はあるか……」

「まぁ、確定ではないですが、可能性は高いかと」


 目立つ色どころか常時淡く光ってるところまでがデフォで、光らせないだけといったことはできず、姿を隠そうとしたら更に別の方法を取る必要がある、みたいな制限は割とありがちな気がする。

 というか実際身を隠していた赤色の子も淡く光って目立ってたし、さっき飛んでいった三人も淡く光ってたし。でもウィッシュが覚えてる事例だと色んなパターンがありすぎて判断が難しいところ。

 もしかしたら単に消し忘れてただけって可能性もなくはないんだろうけど、その辺どうなんだろうね? と織宮さんの方を見てみると目が合い、何か困ったような表情で顔を逸らされた。

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