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第99話 「三つの道」

守るために戦った。


次は――救うために動く。


蒼月亭を中心に、三つの道が分かれた。


王都へ向かう者。

森の禁区へ向かう者。

そして闇へ潜る者。


それぞれが、それぞれのやり方で――。


■ 王都へ ― ダリウス


夜明け前。


ダリウスは折れた大剣を背負い、餞別の剣を腰に差していた。


「王都で話を通してくる」


ミレーヌが腕を組む。


「証言できるのかい?」


「ああ。暗殺未遂の件、廃村襲撃の件。両方だ」


リディアが静かに言う。


「老兵の遺体は?」


「証拠として一部持っていく。紋章付きの装備もな」


ダリウスの目は鋭い。


「クローディア家は、これで終わらせる」


言い切った。


「油断はするな!」


そう言い残し、王都へ馬を走らせた。


王の前で真実を語る。


それは剣よりも重い戦いになる。



■ 森の禁区へ ― レオン・リディア・アリア


森の奥。


エルフの領域のさらに奥。


“禁区”。


足を踏み入れられる者は限られている。


アリアが先導する。


「ここから先は、森が意思を持つわ」


レオンが小声で言う。


「森が意思を持つって……」


リディアが淡々と返す。


「人間の街よりは素直だろう」


アリアがくすっと笑う。


「それは否定できないわね」


目的は三種の薬草。


・月光花

・深碧の根

・霊泉苔


どれも普通の森には存在しない。


アリアが足を止める。


「気配……守護獣よ」


レオンが大剣を構える。


リディアは剣を抜かない。


「倒す必要は?」


「ない。通過すればいい」


風が揺れる。


森が試すようにざわめく。


レオンが呟く。


「これ、魔物より怖くないか?」


リディアが小さく言う。


「喋るな。森に聞かれる」


レオン、真顔になる。


アリアが吹き出す。


緊張の中、少しだけ空気が緩む。


禁区の奥で、淡い光が揺れていた。


月光花だ。


だがその周囲には、巨大な影。


「静かにいくわ」


三人は慎重に動いた。


これは力押しではない。


森との交渉だ。



■ 王都の闇へ ― ローク


王都。


表通りの喧騒から外れた裏路地。


ロークは外套を深く被っていた。


「久しぶりだな」


闇市の入口。


痩せた老人が笑う。


「蒼月亭の商人か」


「まだ覚えてたか」


「情報屋は忘れない」


ロークは低く言う。


「エリクサーの古文書を探してる」


空気が変わる。


「高いぞ」


「金はある」


「命もか?」


ロークは笑う。


「それは持って帰らないと困る」


しばらくして、埃まみれの巻物が差し出された。


古い文字。


錬金術の記述。


必要な薬草、抽出方法、触媒の比率。


ロークは目を細める。


「本物か?」


「偽物なら売らん」


金貨が積まれる。


ロークは巻物を懐に収めた。


闇市を出る。


その背後で視線を感じる。


「……やっぱり、きな臭いな」


王都もまた、嵐の前だ。



■ 蒼月亭


残された者たち。


セラは回復魔法を重ねる。


レンとフィオは村の警戒を強化する。


ミレーヌはカイの横で静かに言う。


「アンタが戻るまで、店は開けないよ」


カイの呼吸は安定している。


だが、目は覚めない。


蒼月亭は、今も戦場の延長線上にある。


三方向同時進行。


・王都政治戦

・禁区探索編

・闇市錬金ルート


次は――

禁区での守護獣との対峙か、

王都でのダリウスの証言か、

それともロークが追跡される展開か。


嵐は、まだ終わっていない。

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