田舎のお土産と幼い恋
タケルは司の家にお土産を持って訪れた。司とその妹の梨花は、彼を歓迎するかのようにニコニコしながら雑談に花を咲かせた。
「おお、タケルよ、ありがとな。
これ、村の特産品か?」司はお土産を受け取りながら、興味津々にパッケージを眺めていた。
梨花もにこやかに言った。
「うん、タケルおにいちゃん、ありがとう!」
タケルは照れながらも、彼らにお土産を渡せて嬉しそうに笑っていた。
しかし、司はにやりとした表情で、タケルをからかう言葉を投げかける。
「で、旅行中に童貞は捨てられたのか?」
司がニヤリと笑いながら尋ねた。
タケルは顔を赤らめて、
「そ、そんなこと、ないよ!」
と弁解し、慌てて否定した。
梨花も苦笑しながら、
「お兄ちゃん、そんなこと聞かないでよ」
と彼女も兄に窘める。
そんなタケルを見て、司は楽しそうに笑い続けた。
梨花もタケルの様子を微笑ましそうに見つめていた。
タケルは赤面しながらも、司たちとの時間を楽しんでいた。
司はにっこり笑いながら、タケルに意味深な言葉を投げかけた。
「気楽にやったほうがいいぞ。多分レミィさんは処女じゃないからな」
タケルは司の言葉に目を見開き、驚きのあまり言葉を失った。
「え、えっ!? なんでそんなこと知ってるんだよ!?」
タケルは動揺しながら司に尋ねた。
司は何気ない様子で答えた。
「そうだなぁ、レミィさんってさ、なんだろう、オープンな感じがするじゃん? だから、そういうことに関しても気楽に考えてるんじゃないかなって」
梨花もちょっと困った顔で、
「もう! お兄ちゃん、そんなこと言わないでよ」
とまた兄をたしなめた。
タケルは心の中で、レミィの初体験の相手が司ではないかという疑惑で頭がいっぱいになっていたが、口には出せずにもじもじと悩んでいた。
(あの時のデートの日・・・もしかしてやったんじゃ・・・)
「ほんと、レミィさんとのことは焦らず、自分のペースで進めたほうがいいよ。無理に焦ったりすると、後で後悔するかもしれないからな」
と司はアドバイスを続けた。
タケルはその言葉を受け止めつつも、心の中では複雑な感情が渦巻いていた。
彼は司の言葉をどこまで信じていいのか、自分の気持ちをどう整理すべきか、戸惑いながらも友達としての時間を過ごしていた。
タケルは勇気を振り絞って、司に伝えた。
「あのさ、司。レミィに対してちょっと慣れなれしくないか? スキンシップとかさ… 僕の彼女なのに」
そう伝えると、司は何やら考え込む仕草をし、何かを小声でつぶやいた。
「ん? なんだって?」
「いや、なんでもない。 彼女が開放的で魅力的だから、そりゃ男なら誰でもちょっかいかけたくなるだろう。安心しろ、お前の彼女に手を出してないよ」
と冗談混じりであっけらかんと応えてきた。
タケルは不安になりつつも、友人への信頼から、彼女を信じようと思った。
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後日、梨花から相談を受けて、タケルは司の家に遊びに行くことになった。
家に到着すると、司は出かけていて、梨花しかいなかった。
「お兄ちゃん、今日はどこかに出かけちゃって。だから私と二人きりだよ」
梨花は、長い黒髪を揺らしながらニコニコと微笑んでいた。
幼いながらも、膨らみ始めた胸が制服の上からほんのりと主張しているのに、タケルはどうしても目が行ってしまった。
「じゃあ、相談ってなんだい? 梨花ちゃん」
タケルは、少し緊張しながら尋ねた。
梨花は、目を輝かせて答えた。
「実は、お兄ちゃんには内緒なんだけど、部屋に来てもらって話したいことがあるの」
そう言って、梨花はタケルを自分の部屋へと誘導した。
部屋の扉を開けると、可愛らしいピンクの壁紙と、ぬいぐるみがたくさん置かれた居心地の良い空間が広がっていた。
「どうぞ、お兄ちゃん。ゆっくりしてね」
梨花は、タケルにベッドに座るように促した。
タケルは、心臓がドキドキと高鳴るのを感じながら、梨花の部屋に足を踏み入れた。
彼女の美しい容姿に目を奪われつつ、どんな相談が待っているのか、興味と期待で胸がいっぱいだった。
梨花は、少し緊張しながらタケルの視線をそらして言った。
「実は、その…レミィさんが処女じゃないっていうお兄ちゃんの言葉。多分本当だと思うの。だから…」
彼女の言葉が途切れ、タケルは何か予感がした。
その時、梨花は目を潤ませて、タケルに抱きついてきた。
「私で練習しない?」
タケルは、梨花の柔らかな髪や体温を感じながら、驚きと戸惑いで固まってしまった。
「好きです…ずっと前から」
梨花は、照れた様子で告白を続けた。
彼女の真っ直ぐな瞳に、タケルはどう返答すべきか分からなくなってしまった。
その時、タケルの心の中では、レミィと梨花が交差しているような錯覚にとらわれていた。
彼は、混乱の中で、どうすべきかを探りながら、梨花の瞳を見つめた。
梨花は、勇気を振り絞るようにしてタケルにキスをし、さらに彼をベッドに押し倒した。
タケルは思わず息を呑み、梨花の柔らかい髪や肌から漂う女の子らしい香りを吸い込むと、頭がくらくらするような感覚に襲われた。
タケルの心は、レミィと梨花の間で揺れ動いていた。
彼は、この状況がまるで夢のように感じられて、現実と区別がつかなくなっていた。
しかし、梨花の目の前で迷っていることに気付き、彼は心を鬼にして一つの決断を下した。
「梨花ちゃん…ありがとう。でも、僕はレミィのことが好きだから、君とはそういう関係にはなれない。」
タケルが断った時、梨花はクスッと笑って言った。
「そうやってタケルお兄ちゃんが断ることわかってた。だから…」
梨花の目が怪しく光り、タケルは体が熱くなって意識がボーッとしてくるのを感じた。
梨花は、タケルの唇に再びキスを落とし、彼の胸に手を這わせながら囁いた。
「タケルお兄ちゃん、これからどんなことが起こっても…怖がらないでね。私がちゃんと面倒見てあげるから。」
タケルは、意識が遠のく中で、梨花の言葉に耳を傾けた。
彼の中にあった抵抗の気持ちも、徐々に薄れていくのを感じていた。
しかし、その瞬間、部屋のドアが開いて司が入ってきた。
「おい、梨花!ちょっと待てよ。」
司は慌てて梨花を止めると、彼女に向かって言った。
「タケルに何かしてもいいけど、そういうやり方はダメだ。もっとちゃんとした方法で、都合よく誘導してやれ」
梨花は少し拗ねたように言い返した。
「でも、お兄ちゃん……」
「分かってる。お前の気持ちも分かってる。だけど、タケルを『力』を使って無理やり巻き込むのはダメだ。」
司は梨花を見つめ、誠実な目で言った。
梨花はしぶしぶうなずき、
「分かった……。タケルおにいちゃん、ごめんね。」
と謝罪した。
その頃になると、タケルもだいぶ意識がはっきり戻ってきた。
タケルは戸惑いながらも、司に感謝の言葉を述べた。
「ありがとう、司。助けてくれて。」
司は笑って言った。
「気にするな。ただ、今度はもっとちゃんと話し合ってみろよ。お互いの気持ちを理解し合うことが大事だからな。」




