第五羽:スキル
カニさんを探すことにしたが意外とカニさんが見つからない。やつはもしかして希少だったのだろうか。あれほど美味しいならたしかに他の奴らに狙われてもおかしくはない。
そんな事を考えつつあたりにカニさんがいないかと探索していたら、出会うことができました。やっと出会えたね愛しのカニさんよ。昨日君を食べてからその美味しさに僕は虜にされてしまった。だから、その美味しい体を置いてってくれないかい。
こうして出会えたカニさんに愛をささやきながら交戦を開始。その前に持ってきていた石を配置、俺は準備を怠らない男なんだぜ。普通になかったらハサミでチョキンの可能性も全然あると思うからな。
はたして、レベルアップの効果は出ているのか。前回と同じく先に仕掛けることにする。カニはハサミであっさりと防いだ。いや、防がれるんですか?レベルアップしたから、ハサミで防げませーんしようと思っていたのに。想像よりも上がり幅は小さいようだ。
しかし少しずつ叩くを向き変えることで、相手が石の前に立つように誘導する。ここまで来たらあとは押し込んで、はいころんだ。転んでしまえばあとはこっちの独壇場、足をこの前と同じように一閃していく。あとはカニも、死を待つだけだ。
カニが息絶えたのを確認した。レベルアップで攻撃力アップなんて思っていたが、実際はそう甘くないようだ。せいぜい変わったところといえば、足をバキバキ追っていったわけだが昨日と違い腕が痛くない。それくらいの些細な変化だった。
そんなふうに考えていたところに、またあの声が響く。
『レベルが1上昇しました』
『レベルの上昇に伴いブランクペンギンは心体能力値が上昇しました。スキルポイントを100獲得しました。』
『スキルポイントがスキル強化最低量150に達したため、スキルツリーを開示します。』
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種族名 ブランクペンギン(ひな)
固有スキルツリー【ペンギン】
スキル名[フリッパー] [くちばし]
強化可能スキル [フリッパー]Lv.2(消費150) [くちばし]Lv.2(消費150)
総スキルポイント数 200
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スキルツリーと呼ばれていたものが目の前に現れた。よく異世界系であるような他人には見ることのできない謎の板という感じではなく、直接頭に情報が送り込まれているような内容だった。
それにしても、フリッパーとは確かペンギンの場合は翼?を指すような言葉だったような気もする。というかスキル強化とはどういうことだろう?普通に考えるならスキルツリーとも言ってたし、強化すれば新たなスキルが生えるとか、今あるものが強化されるということだろう。
なにか大きなデメリットがあるようにも感じられないし、ここは検証も兼ねて1つ試しに上げてみるのはどうだろうか。強化するとすれば、[フリッパー]か[くちばし]かどちらを強化するべきだろうか。今のところカニくんを倒すときに使ったのは、フリッパーだし[フリッパー]を強化したほうがいいかもしれない。
ここで威力が上がったり新技を手に入れたりすることができるならば、かなり楽になるはずだ。もしだめだったとしても素の状態で、カニを倒せることはわかってるから、上げ得かもしれない。ここはものの試しに[フリッパー]をLv.2にしようと思う。いけ!
『スキル名[フリッパー]の強化の意思を確認。スキル名[フリッパー]をスキルポイント150を消費しLv.2に強化します。』
『スキル名[フリッパー]がLv.2に強化されました。』
『スキル名[フリッパー]がLv.2になったため、ツリーを解放します。新スキル[ビートフリッパー]を獲得しました。』
ビートフリッパーとかいう強そうなスキルも手に入れた、スキルのシステムもざっくりとだが理解することができた。これはかなり上出来なんじゃないか!?スキルツリーが存在してそのスキルを強化することでそのツリーに連なるスキルを獲得することができる、そんなシステムだというのがさっきのアナウンスと同時に流れてきた。
ひとまずは、このカニを持ってマイハウスまで戻ろう。新スキルとか、レベルアップによる身体の強化など試したいのは山々だがせっかくのご馳走であるカニさんを放置は良くない。検証はまた次の機会に回そう。
もしうまくいくようであれば、カニでレベリングするのもありかもしれない。それに、ペンギンならな海に入りたい気持ちもある。そもそもペンギンだっていうのに海にすら行ったことがないからな。
次は、海に行くかカニを狩るかにしよう。海はまだひなの状態だと危ないかもしれないから、先にレベリングにしようか?とても悩ましいところだが、持ち帰らないとこのカニが他の奴らに取られるかもしれん。他の奴らには出会ったことはないが警戒しとくのに損はない。
油断してる時が一番危険だとも言うし、今回は一旦家に戻ろう。




