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第八話:おかしいよ(明黄視点)

 一旦状況を整理しよう。俺抜きで話が進みすぎている。朝、なんかパスト・グローリーを名乗る不審者に会う。次に、謎のゲートくぐらされる。その後、推定国王に会う。なんか家に帰れなさそう←イマココ


 いやいや、おかしいでしょ。さっき勇者として頑張ってねって言われて、まぁ頑張りますぐらいの感じだったから、俺言え帰れると思ってたよ。そしたら何?国王にガン飛ばしてこいつは俺がもらってく?国王に異論は言わせないとか言ってたけど、俺から異議ありだよ。何が嬉しくてこんな不審者に連れてかれなきゃならんのだ。


 てか、そもそも勇者は国立の学園かなんかに入ってねっていう話をされた気がする。で、嘔吐までの交通費が高くてキレそうになって。寝るでしょ。そしたら、誘拐か〜。おかしいって。帰らせてくれって。一応ダメモトで聞いてみるか。ギスギスしてるとこに話しかけんの怖いけど。


 「あの〜、家に帰ってもいいでしょうかねぇ。なんか、はい、そのあれなんで」

 「いや、帰らせないよ?もう息子さんは連れてきますって手紙おいてきたし」


 え!?いつの間にそんなことを?しかし、この事態を親はもう知ってるのか。いや普通に考えて信用するわけなくない?朝起きたら息子いないってなって。起きたら机に、息子さんはもらっていきます。でしょ?いくらパスト・グローリーだからといって、手紙だけじゃ本人かわからないだろうし。


「いや、でも手紙だけじゃ伝わらないんじゃ?」

「安心しろ。俺のうん十年かけた技術を使って、こいつとこの俺の映像付きにしてあるからな。今のやり取りも中継するようにしてるし」

「勝手にわしを映像に使っとるんじゃない。それに中継とは何をしとるんじゃ!国家機密とかポロッと言ったらどうするつもりじゃ!」

「いやまぁそこら辺は俺がこうチョチョイってすれば大丈夫だから」

「おぬしじゃ信用ならんと言っとるのじゃ」


 またもや、疎外感。俺って空気だったりする?一応勇者なんだけどなぁ。この二人仲良くないか?こんな軽口叩き合って、なんかハードルが下がった気がする。このノリなら、少し話しやすいかもしれない。陰キャは前世よりはましになったけど、それでもきついんだ。


「まぁあんなジジイは置いといて。さっき行った通りお前は俺がもらってくから」

「でも、勇者って王都の学園にいかなきゃいけないって聞いたんですけど」

「いいんだよ、あんなとこいかなくて。てか、あっちだとやばいものは教えられないからな」


 いや、他の人に教えられないレベルのやばいものってなんだよ。何を人に教えるつもりなんだよ。俺この人に色々教わる感じだよね。この流れからして。なんか、これに教えられるのってなんかやだな。賢者パスト・グローリーって本の中だと、すごいかっこいい感じで描かれてるのに、このどことなく漂う残念臭……


 「はい、考え事終わりーもう行くよ。時間は有限なんだから、もっとテキパキ行動しなきゃ。ほらコレ行きと同じやつ。くぐってくぐって」

 「え、いやあ」

「ほら、つべこべ言ってんじゃねぇ。ほらいけ、俺も一緒に行くから」


 グイグイと無理やり押されてしまう。あ、待って入っちゃう入っちゃうって。あーれー。入ってしまった。ここどこ?今日だけでもう2回目だよ。こんな何処かわからないところに移動させられるの。


「じゃ、こいつも行ったし俺ももう行くわ。また今度来るかも。まぁ安心しろって、この俺が完璧な勇者にしてやるから」


「なんか、いつも通り騒がしいやつじゃったの。それにしても、あの子大丈夫かのぉ?心配じゃ。アヤツに任せると性格が終わる気がする。あやつが育てたやつって大概まともじゃないし」

 

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