第四話:勇者(明黄視点)
「アンディ、ちょっとこっちに来なさい。」
「はーい、すぐ行くよー」
予想道理に呼ばれたが、呼ばれるまでかなり時間があった。なにか話していたのか。はたまた考えていたのか。知るすべはないが、この後のことを考えれば何かあるのは確実だ。
「アンディ、改めてお誕生日おめでとう」
とても優しい表情で言った。朝仕事に出るのが早くろくに祝われていなかったが、しっかりと祝ってくれた。それだけでも少し嬉しい。
「それでな、お前に大事な話があるんだ」
先程までとは打って変わって、真剣な面持ちだ。
「今日教会に行って、スキルツリーの判別をしてきたと思う。お前ももう知っているだろうが、お前のスキルツリーは【勇者】だった」
「うん、知ってるよ父さん。それがどうしたの?」
やはり話の話題は勇者のスキルツリーに対してらしい。話しぶりから見るに、勇者のスキルツリーには何かあるのだろう。
「お前が持っていた勇者のスキルツリーは、基本的に生まれない。それが生まれるのは、誰かが【魔王】のスキルツリーを手に入れたときだけだ。」
「えっと、つまり?」
「この時代に新たな魔王のスキルツリーを持ったやつが生まれたってことだ」
それがどうしたというのだろう?別に魔王が生まれたからといって、急激に世界が危険にさらされるわけではなかろうに
「あのなぁ、歴史の勉強、お前サボってただろ」
「い、いやなんのことかなぁ〜」
「はぁ、全く。いいか、基本的には魔王が生まれれば必ず戦争が起きる。だから、早めに対策を打つしかないんだ」
なるほど、この世界では魔王というのは超重要ポジらしい。あれ、じゃあおれも超重要ポジの一角なんじゃないですかね?
「そんな時に大切になるのは、お前。そう勇者だ」
「うんうん」
「だからな、人類側では勇者をいち早く発見できるようにしている。まぁそれが今日やった、スキルツリー鑑定の儀だな」
なんと!あの儀式にはちゃんとした名前があったらしい。てっきりご土着信仰の怪しげなカルトなのだと思っていたが。
「よって、お前は王都にいかなければならない」
「???」




