↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽り神官様は恋をする  作者: すみ 小桜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/71

第42話 やり場のない気持ち

 ディアルディは、部屋に入ると受け取った水晶をテーブルの上に置き、水晶に触れた。この水晶は、連絡用に精霊に力を宿らせた水晶だった。


 「マカリーさん! 聞こえますか!」


 『ディか? 何かあったのか?』


 「ルナードが行方不明なんです! 今朝からいなくなったって、今連絡が来て!」


 『何!? ルナードが!』


 「俺、どうしたらいいですか?」


 『落ち着きなさい。今からフィタードと一緒にそっちに戻る。いいか。絶対に建物から外に出るなよ。わかったな!』


 「でも……」


 『相手の策に乗るな! 大人しく待っていなさい。絶対にルナードは、助け出す。いいな!』


 建物には、精霊に頼んで結界を張ってあった。特別な力を持つ神官の家では、普通に行われている。

 敵意がある者が中に入れない様に施され、結界に触れればわかるようになっていた。

 なので、建物内に居れば安全なのだ。それに建物に近づいた形跡はなかった。


 「わかりました。お待ちしてます」


 通信が終わると、ストンと椅子に座った。

 ルナードが死んでいたらどうしようという思いでいっぱいだった。


□□□


 「あなた!」


 「ラルー。大丈夫か?」


 数時間後、マカリーとフィタードが帰って来た。

 夫のフィタードに抱き着きラルーが泣きだした。彼女は別に、ルナードを愛していないわけではない。ただ、怒ると力をコントロール出来ない様に思っていたので、怒らせるとどうしようもないのだ。

 彼女には、精霊が見えないので、特別な力としか映っていない。だがマカリーには、自分と同じ力だろうと言われていた。そして、夫のフィタードもまた特別な力を持った神官だ。


 「一応、辺りを見てまわってきたが、街中にはいないようだ。街の外に連れ出されたか、森の中だろうな」


 マカリーがボソッと言った。

 甘かったとマカリーは、自分を責めていた。まさか神殿まで来て連れ出すとは思っていなかったのだ。

 ルナードの事だ。相手の作戦に乗ってやったに違いない。


 「だったら森を探しに……」


 ディアルディが言うと、フィタードが首を横に振った。


 「夜に森に行くのは危険だ」


 精霊が住むと言っても、今の時代、精霊も契約をしないと協力などしてくれない。しかも今回、人間が森に火を放ったのだ。精霊は怒っているだろう。


 「夜明けと共に、我々が探しに行く」


 「俺も……」


 マカリーが言うと、ディアルディも探しに行きたいと願い出る。


 「わかってくれディ。あなたが外に出れば、相手の思うツボなのだ」


 それはディアルディも理解している。だが感情が追い付かないのだ。

 自分のせいなのだから自分が探しに行きたい。けど行けない。気持ちのやり場がなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。