どこで使うんだ……?
【気まずさのエレベーター】
そこには、エレベーターガールが待ち受けていた。
「なあ!」
ベーゼンドルファーが顔を近づけたため、エレベーターガールは顔を赤くした。
「あ……すまん。なあ、次から、螺旋階段からこの階に降りてくることは可能か?」
ベーゼンドルファーが聞くと、エレベーターガールは、無言で首を振った。
「そうか……ここから乗るのは片道なのか……うまくいかねえな……」
「とにかく、まずはタイムリセットです」
「ああ、そうだった……『おすすめ』で頼む」
ベーゼンドルファーがそういうと、エレベーターガールは、恥ずかしそうに後を向いて、エレベーターを操作した。
【世界最後の喫煙所】
建成、スタンウェイ、ベーゼンドルファーは、電話ボックス方面に向かい、喫煙所を駆け抜けた。
【『カスタマーセンター』に繋がる電話ボックス】
もうこの作業に慣れているスタンウェイが、カスタマーセンターに『タイムリセット』をオーダーした。
建成達は残り時間20分を手に入れた。
【世界最後の喫煙所】
「建成……その……疲れてませんか? 今回はその、私を背負ってる時間が長いので……」
「ああ……正直に言うと結構しんどい。だが、君一人背負えないのではこの先が思いやられる」
「はあ……」
建成、スタンウェイ、ベーゼンドルファーは、エレベーター方向に喫煙所を駆け抜けていった。
【気まずさのエレベーター】
「……上に行きますか? 下に行きますか?」
「ああ……」
気が急いているベーゼンドルファーは、思わず、自分でエレベーターを操作しようとしてしまい、
エレベーターガールの手に触れてしまった。
「「あ……」」
ベーゼンドルファーは思わず手を引っ込めた。
「すすすすまねえ!!」
エレベーターガールも、恥ずかしそうに俯いて首を振った。
「上に……頼むぜ……」
「はい……」
肩で息をしている建成以外全員に、気まずい、と言うより気恥ずかしい時間が流れていった。
【ガラスの動物園】
スタンウェイが、『NO17、カワウソ』の像を祭壇に捧げて、奥の扉が開いた。
【正直村と嘘つき村の分岐点】
スタンウェイを背負いすぎて、思考をしなくなってしまった建成は、
分岐点にいる門番の男に道を尋ねずに左に行った。
「ま、待て!!」
それをベーゼンドルファーが止める。
「(ぜえ……)(ぜえ……)なんだユーレイ。右が正直村だったろ。だったら嘘つき村は左だ」
「そうとも限らねえんだよ! ループする度に入れ替わってるんだ!」
「ははは……。そんな馬鹿な。村が丸ごと入れ替わるなんてことがあるか」
建成は、そこまで言うと進んで行ってしまった。
「話を聞けって!! 馬鹿!!」
【正直村】
どちらかの村に着いたのだが、この間訪れた村と全く同じ外観と、中身だった。
「建成、あれを見てください……。あれはどうも、この間正直村にいらっしゃった賢者様だと思うのですが……」
「外見が一緒、と言う可能性もあるよ」
「じゃあよ」
ベーゼンドルファーが会話に割って入った。
「『夜の遊び』を聞いてみようぜ。同じこと言われたら、ここは正直村……じゃなかったとしても前回きた村と一緒ってことだろ」
建成の頭の中で「?」マークが舞踏を繰り広げていた。それほどまでに建成は疲れていた。
思考を停止した建成が答えた。
「じゃあ、それで」
3人は、賢者と思しき男性に声をかけてみた。
「あなたが『賢者』か?」
「いかにも、ワシが賢者、フェルトマンタイじゃぁ」
実に賢者然とした老
「……ここまでは前回と一緒だな?
じゃあ賢者よ……『夜の遊び』を教えちゃくれないか?」
すると賢者は、ニッコリと笑った。
「お前さんがたも、好きかえ?」
「ああ、大好きなんだ」
「喫煙所の地下にあるバーでな……タブルのバーボンを注文してみなさい。さすれば、会員制バーに行けるじゃろうて……
そこから先は自由じゃ。バーボンを飲み干すもよし。隣の客に『帰れ』と促すもよし。それぞれ『正解』にたどり着けるじゃろうて……」
「……どうだい」
ベーゼンドルファーは建成を睨みつけた。
「うん……まあ、既視感はあるな。この状況に……」
「認めやがれ!! 正直村と嘘つき村の人間が、同じ情報を言うか!?」
「あのね……(ぜえ……)(ぜえ……)よくわからない」
「このポンコツ……!!」
「まあまあ。……建成。盗賊の言うことは一理あります。
どうやら……ループする度に右と左で、村が入れ替わると言うことはあり得るようです」
「(ぜえ……)だとしたら……(ぜえ)……ここは、正直村ってこと?」
「それは分かりません。ただ、前回きた村と同じ村ではあるようです」
「正直村だよ!! そこの賢者さんが証拠だ!」
怒りのあまり、ベーゼンドルファーは足元の壺を蹴り倒した。
……すると……
コロンコロン……と、鍵が出てきた。
「え!?」
ベーゼンドルファーは鍵を拾う。
「なんだ!? やっぱりここで当たりかユーレイ!!」
「ま、待て……待てって……」
ベーゼンドルファーは鍵を見つめる。
「……『石畳の部屋の鍵』って……書いてあるぜ……」
スタンウェイは首をかしげた。
「じゃあ、違うんじゃないですか? 我々が探しているのは『嘘こそ真の鍵』です」
「じゃあ……」
ベーゼンドルファーは、鍵を二人に見せた。
「『この鍵』はどこで使うんだ?」
3人は黙り込んでしまった……。




