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●●は間違えてもいいんだ……


【絵もない花もない洒落もない酒場】


 『騎士の鍵』を手にした建成とベーゼンドルファーは、足早に酒場から立ち去った。


【世界最後の喫煙所】


「オイわかってるな勇者、……歌詞を忘れるなよ!」


「もちろんだ!」


 建成とベーゼンドルファーは、喫煙所を電話ボックス方向に駆け抜けた。



【カスタマーセンターに繋がる電話ボックス】


 

「スタン! 待たせた!!」


「建成! 無事だったんですね!」


「ああ。鍵もこの通りだ。今度こそ、騎士の扉の先の試練を突破して見せる!!」


 建成は、スタンウェイを背中に背負い、

 一旦、タイムリセットを忘れずに行ってから、

 電話ボックスのある部屋を出た。



【世界最後の喫煙所】

 

 建成、スタンウェイ、ベーゼンドルファーは、喫煙所を今度はエレベーター方向に進んでいった。



【気まずさのエレベーター】


 エレベーターガールは、戻ってきたベーゼンドルファーを見て、思わず頬が緩みかけ、

それを見せまいと手で隠した。


「上に行きますか? 下に行きますか?」


「螺旋階段まで頼むぜ」


 ベーゼンドルファーが頼むと、エレベーターガールは、スイッチを、力強く、押した。

まるで誰かの背中を後押しするかのように……。



【くだらない螺旋階段】


「もう」


 螺旋階段では、チャリオットを運んできた王国の馬、『いったん木綿』が建成を待っていた。


「おお!! 我が愛馬よ! 待っててくれるとは忠義な名馬だ!」


「もう」


「おい! じゃれてないでいくぞ!! 今度こそ城を出るんだ!」


 建成は、いったん木綿と名残惜しそうに別れを告げると、

スタンウェイ、ベーゼンドルファーと共に螺旋階段を降っていった。

そして、『騎士の扉』の前までたどり着いた。


「じゃあ……頼むぞ勇者。今まで積み重ねてきたものを全部ぶつけろ。いいな」


「建成……建成ならきっとやれます!」


 仲間たちから声援を受け、建成は覚悟を決めた。

試練を突破した先に、きっと、『モアーリセット』がある。三人はそれを信じていた。


「……ああ。まかせろ。開けてくれ、ユーレイ」


 建成がいうと、ベーゼンドルファーは騎士の鍵を使って、扉を開けた……


【『国歌』をファルセットで上手く歌えるまで出られない部屋】


 建成は、スタンウェイを下して部屋の中央に立つ。

スタンウェイとベーゼンドルファーは、建成をただ、じっと見守った。

そして、建成は、ふぅと一息ついて、

最初の息を吸い込み、歌をはじめた。



「おお、我らの地、ドゥングリムックリ 豊かさ響くこの大地 膨らむ腹は栄光の証 食卓は我らの命の源

 満ちよ、満ちよ、我が祖国よ デイヴの名の下、共に栄えん 豊かな未来を、その『オイ鬼太郎』 ドゥングリムックリ、永遠に輝け!

 四季巡る美しき山河 春の芽吹き、秋の実り 王デイヴよ、その御旗のもとに 民は一つ、心を合わせ

 満ちよ、満ちよ、我が祖国よ デイヴの名の下、共に栄えん 豊かな未来を、その『オイ鬼太郎』 ドゥングリムックリ、永遠に輝け!」

 ……ベーゼンドルファーは「あちゃ!!」と頭を抱えた。ファルセットは完璧だ。しかし……歌詞を間違えている……

と、思ったのだが、彼らを待ち受けていたのは予想だにしていなかった光景だった。

ゴゴゴゴゴ……と、奥に通ずる扉と、螺旋階段に通ずる扉が姿を現したのだ。


「これは……やれた……のか?」


「やった!! やりましたよ建成!! ついに試練を突破したんです!!」


「歌詞は……間違っててもいいんだなあ……」


 優しさと理不尽を交互に投げつけてくるドゥングリ城にもやもやしながらも、それでも、

ともあれ試練は突破した。

建成とスタンウェイとベーゼンドルファーは、開かれた扉の奥に進んだ……


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