第十話 帰らずの森
遅くなってすいませんでした。
街から少し離れた場所にぽつんと森がある。その森は滅多に人が出入りすることはなく、
冒険者達の中では帰らずの森と呼ばれている。
そんなことも知らず、その者は帰らずの森に立ち入ってしまうのだった。
「いやーそれにしてもここは人が来なくて、静かで良い場所だな。」
「ギャウギャウ」
「ん?何だよ…」
俺の背中をレンが鼻先でつついてくる。
なにかを待っているようにも見える。
「……あ…街の土産か…」
「ギャウ!」
「す、すまん!金が無くて何も買え…」
レンはまるで信じられない物を見るような目で俺を見ていた。
「……ほんとにすいません…次は買ってくるんで許してください…」
「グルル…」
レンが次が最後だぞと言っているように聞こえたのは決して気のせいではない気がする。
なのでちゃっちゃと依頼を終わらせよう。
俺はレンに乗り、森から出ることにした。
「って、あれーなかなか出口が見えてこないな…レン?道間違えてないよな?」
「ガウ!」
「そうだよな…もう少し歩いてみるか。」
うん…?どういうことだ…いくら歩いても似たような場所に着いちまう。
「おかしいな…レン!きた道戻るぞ。」
確かに俺たちが歩いてきた道は合っていたはずだ。歩いてきた道に戻るとやはり見覚えのある場所についてしまった。このまま歩き続けるのは体力を使ってしまうので得策ではない。それに助けも呼べない。街から少しの距離だからといって声が届くほどの距離ではない。
「もうやけだ…レン!この森燃やすぞ!」
「ギャウ?」
「良いのかって?こんな森で野垂れ死ぬよりかはマシだろ?お前も飯が食えなくていいのか?」
「ギャウ!?」
それはやばいとレンは焦ったようにぷるぷると震えだす。この震えの原因は今まで出したことがない程の火力で炎を吐き出そうとしているために炎を口の中でためにためているからであった。
「レン、いけるか?」
レンはぷるぷるしながらもコクコクと頷く。
「よし!いーーー」
『ストップ!ストップうぅー!!』
その声は頭の中で響くのだった。
「んで?なんで俺たちを森で迷わせたわけ?」
『いやーそのね人間ってみんな迷うとパニックになりだして面白いから…』
俺達をこの森に閉じ込めていたのは俺からみてもまだ年端もいかない少女であった。
彼女曰く彼女はドライアドという種族という話だ。
『最初はねそのドラゴンさんがこの森に入ってきたから今日は変わったお客さんだなー程度だったの…それでちょっとしてからお兄さんが来たわけで仲良くお話してるから困らせたくなったの。』
「なにお前?いつも人が来た時こんなことしてんのか?」
『いつもっていうか危なそうな人だけ迷わせてるだけよ?まあ時間が経ったらだしてあげるんだけど。それに面白いし』
「え?なに…俺、危なそうに見えたの?あとされる側は面白くないから…」
『お兄さんとドラゴンさんは別よ?さっきも言ったけど仲が良さそうだったから困らせたくなっただけよ?』
コイツ…ちょっと懲らしめてやろうか…
ということでレンさん!お願いします!
ヒロイン?ですかね?




