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※用語解説
本書の中で触れる現実の技術や概念で、あまり広く知られていないものについて紹介します。
≫マックスウェルの悪魔(Maxwell's Demon)
エントロピーの増大という原理を阻害する存在を想定する思考実験。
エントロピーとは、秩序は整った状態から自然に乱雑な方向に進む性質のこと。熱に当てはめると、「熱い物体は冷めていくが、その逆は自然には起きない」ことを説明する原理で、熱力学第二法則と呼ばれている。
マックスウェルの悪魔は、箱の中の分子運動を観測し、箱の中の動きの速い分子と動きの遅い分子を見分けて、箱の中から分子が出入するためのドアを開閉できる存在のこと。
速い分子が出ていくときドアを閉め、遅い分子が出ていくときにドアを開くようにすれば、速い分子だけが部屋に残る、つまり、熱が高くなる方向に進むので熱力学の第二法則に反することになるというもの。
なお、これに対して、情報理論の観点から反論が示されている。悪魔が分子の状態を見分けてドアの開け閉めするためには、そのための情報の記録と管理が必要になる。
この情報の管理自体が新たな「乱雑さ」を生むため、全体に見るとやはりエントロピーが増大する方向に進んでいるというもの。




