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第20話
「あなたの猫?」
「違う。ここら辺の猫だと思う。助けてあげたいけど、僕も迷子だから」
「そっか」
少女は、うんうんと頷きながら必要なことをてきぱきとこなしていく。
肩がけの小さな鞄から取り出したスポーツタオルに丁寧に子猫を包むと、左腕でそれを抱いて、右手で僕の手を引いた。
「君もおいでよ。知ってる道まで案内してあげる」
少女に手を引かれて階段を降りる。
少女の足取りは早く、僕は着いていくのに精一杯だった。
……同じくらいの歳の女の子のはずなのに、その時の僕には彼女が随分と大人びて見えていた。
神社から降り、程なく民家を見つけると、少女は躊躇いなく戸を叩いた。
家から出てきた中年の女性は、少女と一緒に居る僕を見つけると少し驚いた顔をしたが、少女の話を聞くとすぐに子猫を抱いて家の中に入っていった。
「もう大丈夫。猫おばさんは拾い猫の達人だから」
少女は笑い、踵を返す。
僕の手は握られたままだ。
「名前は?」
少女が問う。
縁です、と僕は少し緊張しながら返した。
「私は朝顔。宮原朝顔だよ」




