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悪魔×事件×ティータイム  作者: 緋夏 鐘成
イリーガル種編
50/147

プロローグ

連続更新29日目!

新章プロローグ!


「はぁ……はぁ……はぁ……!!!」


必死に逃げる。

俺の後ろにいる仲間の事など気にする余裕もないほど必死に腕を振り足を上げた。


「くそっ!何でぇ!!何で何で!!!何でずっと俺を追ってくるんだよ!!拓也達を見捨ててまで逃げたっていうのに!!

 何が目的だよ!化け物がぁ!!…………ちくしょぅ!!」


足音が一層大きく聞こえてくる。

つまり俺の逃げ足より化け物の移動速度の方が速いという事。

この瞬間絶望に支配されそうになる。

だが


「拓也達を見捨ててまで逃げたんだっ!!!絶対情報を持ち帰らないと……!無駄になる!!」


ドン……ドンッ……ドンッッ


「ヒッ!」


更に距離が縮まる。


「だ、誰かぁぁああああ!!!助けてぇえ!!誰かっ!誰かいないのかよぉ!!!」


下層から逃げ続けて現在地点上層10階に入ったばかり。

かれこれ1時間も逃げ続けた俺の体力は上層10階にて尽きかけている。


「あと9階!あと9階……!!」


かつてないほど焦りに支配された俺は選択を間違えた。


「はぁ……はぁ……!」


怪我で血が流れていた事もあり普段と比べて冷静とは言い難かった。

今までギルドが正式に認めている攻略コースを走っていた、だがここで少しでも速く逃げた後考えていた俺はいつもなら右に曲がる道を《《真っ直ぐ》》進んでしまった。


ドンッ!……ドンッッ!……ドンッッ!!


「うわぁああああああ!!!!」


ただただ我武者羅に走る。

恥も外聞も捨て去り全力で泣きながらダンジョンを駆けた。

何度ひたすら道を曲がり、進み

ようやく行き止まりに行き着き


「……?……?!?!あっ!」


道を間違えた事に気付いた。


「あっ……あぁあ!!!」


ドン!!!!!!


音が止まる。

追うのを辞めたみたいだ

そう思いたい

だけど振り返ればそこには


「─────────────!!!」


人智を超えたモンスターがいた。


「ごめん拓也……へへっ、無理だった」


「──────────!!!」


ゴシャッ


血の池

鉄の匂い

肉の塊


化け物と呼ばれる存在が過ぎた後にはそれしか残されていなかった。

男の手首から上を引きちぎると化け物はまた下層、深層へと戻って行く。





「うっ!オェ……!」


「酷い死体だな。栞耐えられないのなら見るのを辞めなさい」


「いや、大丈───ぶっ!」


「吐くのなら離れてなさい。流石に死体の前ではよそう」


「ぁぃ…………」


消え入りそうな声で栞から返事が聞こえた。

10mほど離れると蹲りダンジョンの壁に向かいながら戻し始める。


「はぁ……モンスターで散々死体は見ているだろうに。確かに人の圧殺死体など日本……というかハンターをしていたとしても見る事など皆無故に耐性がないのも致し方なし……か」


壁際に追い込まれ恐らくモンスターによって圧殺された死体を見て疑問に思う。


「普通ダンジョンの上層では人の死体を圧殺出来るほどの体格を持つモンスターは出て来ないのだが……『イリーガル種』か?」


人の遺伝子情報が入ったモンスターの事を『新種』と呼ぶのも紛らわしいため新しく呼称した存在。

秋葉葬盛も元は本物の新種にカテゴライズされる存在。

しかし攫われ恐らく改造を受け今の『秋葉葬盛』になった。

今の秋葉葬盛はカテゴリー的に『イリーガル』と呼べる。


「……さん」


「んっ、出すもの出したか?」


「ごめんなさい」


「気にするな。人の死体を見る機会はハンターをしている以上見ない可能性はゼロだ。

 だがこんな殺され方をした死体を見る事も普通ならば同様にゼロ……事故みたいなものだ」


「うん……」


やれやれ

この調子だと帰った後のお茶が不味くなりかねん。


「死体の確認は私がするから栞はモンスターの警戒をしていろ」


「はい……」


背を向ける前に良い香りのする物を詰め込んだ袋を投げ渡す。

普段は使わないが少しでも心を楽にするために使う。


「どう考えても壁にこべりつく肉片から考えると縦ではなく横からの圧力による死亡。

 足は無事……という事は圧力範囲は狭い?いや、早計か?範囲を調節出来ると考えるべきだろうな。

 …………ん???右手のの手首から上がない?」


地面に落ちている右腕を拾い手首の断面を観察する。


「鋭利な刃物で斬られたようには見えない、なら刃物は持っていないと見るべきだが……魔法がある。

 だが魔法を使った痕跡がない、無いならないで圧殺の説明が付かない。

 普通魔法を使えば魔力が『色』を持って残留する。だけど『色』を持った魔力がない」


刃物で斬られたようには見えない断面

まるで引きちぎられたかのように雑な断面をしていた。


イリーガル種は魔法の痕跡も残さないというのか?

いやあり得ない!

今まで倒して来た分のイリーガル種は魔法を使ったら魔力がその場に残留していた!

なら……何故?


「………………」


駄目だ考えが纏まらない。

取り敢えず偶然この死体に出くわしたのだから身分の分かる物を回収しなければ


「…………お?」


残っていた足のポケットからこの圧殺死体と思われる人間の私物が見つかった。


「長谷川……光太郎。これは」


最近テレビで見たハンターを兼業しているアイドルとしてデビューした男の名前だった。





ここまで読んで下さりありがとうございます!!

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