表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
両片想いでラブコメで!~想い人一筋なのに、隣人の金髪碧眼美少女がやたらとちょっかいかけてくるんだが?~  作者: 咲来青
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/156

第3話 結太、龍生の従者操縦法(?)に感心する

 国吉に『遊びではなく、仕事で来ている』という理由で、スーツから軽装に着替えることを断られた龍生は、腕を組み、しばし考え込んだ。


 ボディガードが、『平日休日関係なく、いつでも対応出来るよう』にしておくのは基本ではあるが、常にスーツ姿でいる必要はないのではないか?


 しかし、彼には彼の、こだわりやポリシーがあるのだろう。

 その信念を破らせてまで、こちらの要望を受け入れさせるのは、いささか横暴な気もする。


 そう考え直した龍生は、


「……なるほど。それは殊勝(しゅしょう)な心掛けですね」


 微笑みながら告げた後、更に続けて。


「我が家のボディガード達も、あなたほど仕事熱心で、優秀でいてくれたなら、気苦労も少なくて済むのですが」


 主がさらっと放った台詞に、東雲と鵲の胸は、グサリと貫かれた。

 たちまち情けなく顔を歪め、



ひでぇぜ坊ちゃん……っ! 確かに、俺達ゃー優秀じゃねーけど、でも……っ、いっつも坊ちゃんのお役に立ちてーって、頑張ってるつもりなのにっ)


(坊に対する忠誠心だけは、誰にも負けないつもりでいるけど……。やっぱり、気持ちだけではダメなのかな……)



 明らかにガックリ来たようにうつむいて、二人は肩を落としている。

 結太は慌てて、フォローしようと口を開いたが、それよりも一瞬早く、


「まあ、〝馬鹿な子ほど可愛い〟という言葉もあるように、抜けている部分が多々あるからこそ、よけい愛着が()くものですし、見ていて飽きないという良さもあるのですが」


 微笑みながら龍生が続け、落ち込んでいた二人は、たったこれだけで、見事なまでに浮上した。



(坊ちゃん! なんて有難ありがてぇお言葉……っ!)


(やっぱり俺達、どこまでも坊について行きますッ!!)



 瞳をキラキラさせ、うっすら涙など浮かべながら、単純な二人は、主人に熱い視線を注いでいる。



 このように、二人の感情は、いつも非常にわかりやすい。

 (にぶ)めの結太ですら、簡単に心が読めてしまうレベルだが、それにしても……と、龍生をまじまじと見つめる。



(一度落としといて、すぐまた持ち上げる……か。やっぱ龍生は、ジンシンショウアク――ってのが、身についてんだろーな。一回りも違う大人を、こーも手懐(てなず)けちまってんだから)



 呆れるとも、感心するともつかぬ思いを抱え、結太はうんうんとうなずいた。



 まだ龍生が幼かった頃から、二人が『一生ついて行く』と心に誓っていたことも、そのきっかけとなった事件も、結太は知っている。


 しかし、そのことだけでは説明がつかない〝(きずな)〟のようなものが、やはり、彼らの間にはあるのだろう。それが時々、とても(うらや)ましく思えるのだ。



 龍生の言葉に感動し、うるうるしている従者二人と、それを見て、つられてうるうるしてしまっている結太だったが、


「ハァ~~~イ! そこの男性達ーーーっ! おっ待たせーーーっ! 水着に着替えたレディ達のご登場よーーーっ! ちゅーもくちゅーもぉおおーーーっく!!」


 イーリスの声が別荘側から聞こえ、ドキッとして振り返る。


 十数メートル先に、手を振りながら歩いて来るイーリスと、少し緊張したように、ギクシャクしながら大股(おおまた)で歩いて来る咲耶、その後ろに隠れるように、うつむきながら歩いて来る桃花が見えた。


 三人とも、何かしら上から着込んでいて、まだ水着姿にはなっていない。

 しかし、これから桃花の水着姿が見られるのかと思うと、結太の頬には赤みが差し、心臓はドクンと跳ね上がった。



 イーリスを先頭にして、女性陣が砂浜までやって来る。

 すると、(まぶ)しいほどに真っ白なワンピース姿のイーリスは、東雲達が用意した数々のものを見やり、


「あら。こっちの準備は、すっかり出来上がってるみたいね。じゃあ、すぐにでも遊べるってことかしら?」


 そう言って、結太の方に視線を移した。

 ボーっと桃花に見惚れていた結太は、イーリスに訊ねられたことに、すぐには気付けなかった。龍生に(ひじ)(つつ)かれ、ようやく我に返る。


「えっ?……あ、ああ……。うん。トラさん達が頑張って用意してくれたから、もう、いつでも遊べるぞっ」


 慌てて答える結太に、イーリスはクスッと笑い、


「やーね、結太ったら。ボーっとしちゃって。……どーせ、桃花の水着姿でも想像してたんでしょー?」


 まるでからかうように、彼の(ひたい)を、人差し指でツンと小突(こづ)いた。

 結太はたちまち真っ赤になり、『ばっ、バカッ! してねーよ想像なんて!』と言い返し、焦って桃花をチラ見する。

 彼女は結太以上に真っ赤になって、うつむいてしまった。


「フフフフッ。いーわねー、カップル未満は初々(ういうい)しくて。……さーて、そっちはどーかしらぁ~?」


 結太達を軽くあしらい、イーリスはこちらが本命だとでも言うように、咲耶をまっすぐ見据(みす)える。

 咲耶はぐっと詰まり、唇を噛んでイーリスを睨んだ後、


「わ、わかっている! 脱げばいーんだろ、脱げばっ!」


 そう返すと、BIGTシャツを素早く脱ぎ去り、ブーメランでも投げるように、大空へと放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ