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異世界から来た魔術師  作者: ちゃい
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野菜の時間

 ユキさんとサクラさんに家の外を案内してもらう。


 「ここが畑、夏野菜が実って、そろそろ収穫が終わる頃よ、残した実はたねができるまでそのまま待つの」

 さっきの妖精たちがふわふわ浮かんで、ころころとまわっている。


 「たねができるおまじないかしら?ころころまわるのよ」

 かわいい、なんてきれいな色、自然の色なんだ。


 「星の気持ちが知りたい、と思うなら、この世界で野菜と私たちが一緒に住んでいるこの事実から考えてみて、わざわざ私たちが野菜の一生と共に暮らすの」

 優しいって、そういうことなのかな。


 「野菜は一年ずつ、毎年生まれ変わるの、そこには水が流れていて空気があって、家を作る材料もある、これはなんだろうと思うと」


 「それで優しいんですね」


 「そうね、星は自分で回転しながら大きな時を刻んで、その中で野菜は実を作って、人間に食べられることも、一年のうちに一生を終えることもわかって、この世界を循環させるために生きているの」


 「星も野菜も優しい」


 「人間だけがそんな簡単な循環の中で生きていることを忘れているようね、陽の光と野菜と星と、水や空気もあって」


 「魚も」


 「そうね、みんな循環の中で生かされているのよ、それだけでいいの、星の気持ちは、この優しい循環の中で生きてね、ということだと思うわ、とてもよくできているもの」


 「時間はそれぞれ違うんですか?」


 「同じ星の回転の中にいるとしても、それぞれの時間の感じ方は違うかもしれないわね」

 シャラナが言っていた、それぞれの時間の流れがあるのかな。


 「野菜の一生は短いから、楽しそうだけど、どう感じているんだろうね」

 どう思うんだろう?


 「自分たちがこの世界を循環させていることはわかっているみたいよ、人間より星の気持ちとか、もっと最初からあるいろいろなことを知っているかもね」

 野菜の考えがわかれば、いろいろなことがわかるのかな。


 話しながら野菜畑を歩いていくと、大きな湖に着いた。


 「私はここに落ちてきたらしいの」

 落ちてきた?


 「別の世界からここに落ちてきたのよ、火山の噴火で亡くなっているようなの、異世界から人が落ちやすいみたいよ」

 えええええ、異世界から?


 「ユーリが拾ってくれたのよ、そんなに驚くことじゃないでしょう?ミサトも異世界から来たんだし、よくあることらしいわ」

 なんですって?ナナ、大変だ!


 



 





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