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異世界から来た魔術師  作者: ちゃい
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ケント師匠の光

 シャラナの友達は竜の島にいるのかな?わたしにしるしをつけたのは誰だろう、シャラナの友達でわたしも友達の誰か。


 最近、魔法学校の勉強がおもしろくない、はじめの頃のわくわくする感じが薄れてきて、魔法陣や呪文をたくさん覚えさせられたりすると眠くなる。


 放課後、白の塔に着くまで歩きながらいろいろ考える。


 ちょっと疲れたから途中にある公園の中に入って、真ん中の大きな木の下にあるベンチに腰掛けた。

 顔を上に向けると木漏れ日がみえる、目の奥や頭の中に現実の柔らかい光が入ってほっとする。


 いつも人の強い感情や魔法使いの属性の色がみえて、変な感じがしている。


 たまにすれ違った人が強く考えている昔の風景が浮かび上がって、古い時代の景色が直接頭の中にみえることがある。

 何人もの人が過ごしたいくつもの時代の、N国の古い映像がほとんどだけど、よくわからないとても遠い国がみえる時もあってびっくりする。

 目は悪いけど、はっきり違うってわかるから現実と間違えたりしない。


 白の塔に着くと魔術師の属性が強く光ってみえる、これにもなれない。白の塔の魔術師は街の中の普通の人よりきらきらしている。


 そして、一番ダメっぽい魔術師がシャラナのように輝いてみえる、目がおかしいのかな。

 上司のジーク様や、すごく光るユーリ宰相補佐が七色に輝くのはわかる、なんだか尊敬する。

 でもその二人がかすむくらい輝いてるのは、いつもジーク様に怒られていて、それでも平気なケント師匠なのだ、そこはすごいかも。


 ケント師匠がありえない力を放って輝いているのを、誰も知らない。七色の完璧な輝きは巨大な宝石か、輝く別の星が人間になって生活しているみたい、こんなことってある?


 「なんだよ、俺はコネで入ったから、研修生なんかやってないし知らない、実力でここにいるわけじゃないぞ、わかったか」

 そんなこときいてません、小声でこっそり教えてくれたけど、みんな知ってる。


 「まだなんか文句あるの?魔法使うのだけは上手いから心配するな」

 心配してないし文句もないけど、光りすぎていてちょっと不安かな、この後ケント師匠と魔法の授業がある。

 土曜日にデルネヘルがやっているのと同じらしい、魔法学校の授業よりおもしろいけど。


 「魔法でやってみたいことはあるかな?」


 「そうですね、ちょっと、友達のことが知りたいです」


 「あ、そう、それは誰?」


 「シャラナとわたしの友達で、」


 「あー、なんか面倒なことになったな」

 魔法使うのは上手だ、って言ったのはどうなったの?



 

 

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