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第七十一話 幻覚の森

俺達はしかたなく森の中に入っていった。

「横暴だー!」「不当な扱いだー!」

「ピクシーにも人権を!」「バーカ!」

あの後、どこかに飛んでいこうとしたピクシー達を再度、袋詰めして

持ち運んでる。


「うっさいわね!自分達のせいでしょ!?」

「どこにいるであるか?」

どうやらパープという魔物が身を守るために幻覚の霧を出しているらしい。

吸ったら幻覚に襲われるのではなく、霧自体が幻覚を映し出すらしい。


「状態異常だったら、すぐに治せたんだがな。やっぱり魔法で

吹っ飛ばした方がいいんじゃないか?」

「……アンタ加減できないでしょ、やめときなさい。」

なぜか他のヤツらに止められて魔法が使えない。

エツでの事は反省してるんだし、別にいいじゃないか。


俺が先頭に立って目的のヤツがいる方向へ森の中を歩くと、全身真っ白の

巨大な豚が寝ているのを見つけた。

「あれがパープですかね?」

「さっき聞いた特徴と一緒であるな。」


さっさと捕まえて気絶させれば、

そう思った瞬間。

「フゴオォォォ!」

デカい鳴き声を上げた。


「気付かれたか。仕方ない、さっさと」 ヒュン!


あ?


「……消えましたね。」

「どういう事だ?」

袋の中のピクシーに質問するが、


「狭ーい!」「暗ーい!」「ちょっと!アタシの服で汗拭かないでよ!」

大騒ぎだ。



「「「……!……!……!」」」

「あれ、思った以上に気持ち悪くなるのよね。」

「何回か体験してますもんね。」

袋を勢いよく回転させる。

数がいる分、辛いだろうな。


「パープはつがいでウップ……身の危険を感じるとオェ……相手のところに

転移するわ、あ、もうダメ……」

ピクシー全員、草むらの中で吐くという地獄絵図ができ上がった。


「面倒だな。」

この世界に来て転移する、されるで厄介事が多い気がする。

「どうするであるか?」

「気付かれる前に近寄って倒すしか……ん?」


森の霧が濃くなってきた。




「アリア!」

「まったくもう……お前ってヤツは、どうしてそう落ち着きがないんだ?」

「お父様、お母様……どうしてここに?」

私の目の前には二人の姿があった。


「どうしてって、お前の結婚相手を選んできたんじゃないか。」

「結婚相手?」

「そうよ、あなたの夢はお嫁さんじゃない。」

そう言う二人に紹介されるように出てきたのは……


「僕だよ、アリア!」

ガナガ団長だった。

「い、嫌ぁぁぁぁ!」



「あれ?ここどこ?」

「おはようリュリュ。寝過ぎだけどね。」

「もう少しちゃんとしないと。」

「まぁ小言はいいじゃないか。」

お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。

みんな揃ってる。


「どうしたの?まだ寝ぼけているのかい?」

「え?いや、う~ん……」

「ほら、ボーっとしてないで!好物のヴィヨルも沢山作ったんだから。」

「え?ホント?」

見ると、テーブルの上には果物の蜜を煮詰めて焼き魚にかけた料理――ヴィヨルが

山のようにあった。


「やった!今日って祝い事あったっけ!?」

「フフ……考えてごらん?さ、顔を洗ってらっしゃい。」

「は~い!」



「サーシャ。」

「おじいちゃん!」

おじいちゃんが大きい壷で薬を作っている。


「いいかサーシャ。薬作りはな、ガッツじゃ!!」

「なるほど。」

「今までの知識と経験で適当に材料を入れ、勢いよく混ぜると!」

「混ぜると!?」

壷が爆発した。


「ぬおおおおお!」

「おじいちゃ~ん!!」

「大丈夫じゃい!生きておる!」

「さすが!やっぱり、おじいちゃんは凄いね!」

「ガッハッハッハッハッハ!」




「ガナガ団長は勘弁してください……」

「ヴィヨル~……おいし~……」

「おじいちゃんは世界一の薬師だよ……」


急に三人が倒れて寝言を言い始めた。

「状態異常にかかってるな。しょうがない、治すか。」

治療をしようとした時、人の気配を感じた。

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