第七十話 イタズラ
「なんか気持ち悪いかも。」
さっきの黒焼きを食ったせいで、全員テンションが低い。
「次の街までは2週間ですか、遠いですね。」
「しょうがない。途中に村や町があればいいんだがな。」
そうして、エツを後にした。
「何か、雰囲気からして違いますね。」
辺りを見回すと今までの道とは違い、何がとは言えないが暗い感じがした。
「でも魔族はこっちの方が好みなんでしょ。」
「新しい薬作れるであるかな?」
生えてる植物も少し変わっている。
しばらく歩くと、
「道がないな。」
「ないですね。」
「ないわね。」
「あるね。」
どっちだよ。
道沿いに歩いたつもりだったが、途中で道がなくなったのだ。
「森に繋がってるんですが、どうしましょう?」
「入りたくないな~。」
どうするべきか。
「……ん?」
【見識】で周辺を確認したら、普通に道がある。
それに少し離れたところに、人?数は6か。
このまま進んでもいいが、認識がずれてると変に迷う可能性があるな。
先に周りのヤツらを片付けたほうがいいか。
「お前らは何者だ?」
人が集まってる方を向いて声をかける。
「勇者殿?」
「誰かいるの?」
しばらくしても出てこない。
しょうがないので後ろに回り込む。
「キャア!」「え!?」「ウソ!?」
何か小さいのが大量にいたので捕まえて袋に入れる。
「は~な~し~て~!」
「出してよ!」
騒ぐなうっとうしい。というかコイツら。
「妖精?」
俺は三人のところに連れて戻った。
「相変わらず人間離れしてるわね。」
「別にいいだろ。それよりお仲間だぞ。」
「仲間?」
袋から一匹取り出す。
「あ!ピクシーじゃない!」
「ピクシーって、お前もそうじゃないのか?」
「違うわ。私達はフェアリーよ。んで、イタズラ好きなコイツらはピクシー。」
元の世界だと呼び方の違いだけだったはずだが、ここだと種族が
違う事になっているのか。
「フェアリーがこんなところにいるなんて珍しいわね。ちょうど良かったわ、
助けてちょうだい。」
「イ・ヤ・よ!あんたらのせいで私達がどんだけ迷惑してると思ってんの!」
「もしかしてこの道もコイツらの仕業か?」
手の中のピクシーがそっぽ向いた。当たりだ。
「元に戻せ。」
「準備に時間掛かったんだから戻したら無駄になるじゃない。」
ずいぶんと反抗的だな。
「づ、づべだい……」「こ、凍る……」「出せ~……出して~……」
氷魔法で作った氷の上に袋を置いておく。
魔法で作った氷は通常より冷たいので思ってるより体温が奪われるはずだ。
「また酷い事を……これ私にやるつもりで考えたとかじゃないわよね?」
「……」
「何か言いなさいよ!」
あれから10分くらい経って、
「もどずほうほう、おじえるがらだじで……」
「中々、根性あったな。」
「……同情したくないけど、せざるを得ないわ。」
袋を開けると一斉に外に飛び出し、
「火……火を……」
と苦しんでいたので、詐欺師に炎を出してもらい暖める。
「し、死ぬかと思った!」「助かったぁ!」「あっだが~い!」
「もういいか?じゃあ元に戻せ。」
「元に戻すって言っても幻覚の霧を出すヤツを連れてきただけだからね。
そいつを元に戻すか、倒すかすれば元に戻るわよ。」
「どこにいる?」
「さぁ?幻覚でできた森の中のどっかよ。」
どうしてこの世界はこうトラブルばかりなんだ。




