98話 亀鍋パーティ
衰弱を直すならやっぱり食べて英気を養わないとね!
Area:---ソルレッド空中王国---
亀鍋の下準備が出来たのでエドガー隊に衰弱中の元捕虜を城門前の大広場に連れて来いと言い渡し、1000人くらいの人々が集まった。
俺はパーティ開始の挨拶を軽く行った。
ヒロツグ「みんな腹減ったろう!とりあえずたくさん食って体を治せ!腹一杯になったらさっさと寝ろ!いただきます!」
そして鍋パーティが始まった。
俺とパワー部の大鍋以外の大鍋は長蛇の列を作っていた。
エドガー隊が並んでいる人にポーチからお椀とスプーン、フォークを渡し、鍋周辺にいるでかい杓子を持った隊員が次々とお椀に掬っていれている。
なんかこの光景テレビでみたことあるな...なんだったけか。
そうだ!派遣村の炊き出しだ!あれにそっくりだな!
エドガー「ヒロツグ殿!衰弱中の捕虜達のために多くの食事の用意をして頂きありがとうございました!」
ヒロツグ「捕虜達が衰弱してるのって、間接的に俺達のせいな気がしてな...早く衰弱治してやろうぜ!」
エドガー「いいえそんな!きっと皆ヒロツグ殿に感謝しておられるはずです!」
ヒロツグ「そうだといいがな...ほら食べ物の恨みって怖いっていうだろ?エドガーも恨まれないように捕虜達に給仕してこいよ。」
エドガー「っは!ただちに給仕して参ります!」
そういってエドガーは捕虜達に皿配ったり色々やりに行った。
俺は大鍋を適当につつきながらパワー部と話していた。
ヒロツグ「ぼろい服を着ている痩せ細ってる人達がいるでしょう?あれが捕虜だった人達ですよ。」
リアム「すげぇ、みんな荒々しく食いまくってるぞ。」
ジュリ「とってもお腹減ってたみたいね。」
ヒロツグ「ここ最近全然食ってなかったみたいだからしょうがないさ。」
たしか、飲み食いなしで生きられる期間って1週間くらいだったかな?
ヘクター「で、なんでこの大地はどうして浮いているんだ?」
ヒロツグ「この大地の下に緑色の浮遊石ってのが大量に埋まっているんですよ、多分それのせいです。」
ジュリ「浮遊石ってとても貴重な鉱石で有名じゃない!」
リアム「採掘でも見たことが無いぞ!」
ヒロツグ「ちなみに浮遊石掘り出そうとすると、煙のように消えて同じ場所に再出現するから採掘での回収は無理だからな。」
俺は他のメンツを探すとつい最近買ったであろうでかいテーブルの上で、奥さんとルシアとエミがまるでマシーンのように亀、野菜、魚を切り刻んでいる。
そして切り刻んだ材料は普通サイズの鍋に入れられ、それをカーターが具材が少なくなった大鍋に運んでは投げ入れる作業を繰り返している。
他のエドガー女隊員達も奥さんより早くは無いが、材料を切り刻み、それを他の隊員が運んでいるな。
食欲旺盛な奴等が多いから当分終わりが見えそうに無い。
奥さん「ほらほら!次々いくよ!」
エミ「もう疲れたぁー!」
ルシア「お、終わりが見えない...」
カーター「ルシア、頑張って!」
俺も手伝ったほうがいいのかなぁ...でも料理は正直めんどくせぇんだよな...
アンジェロ「あの城!あの赤い城はなんなんじゃ!」
ヒロツグ「俺が攻め落とした人間の城をリフォームして出来たソルレッド城です。3階の玉座から見える外の眺めは絶景ですよ。」
アンジェロ「攻め落とした...じゃと?」
ヘクター「この前塔に攻め込んで来た人間達に報復したんだろ?」
ヒロツグ「ええ、もちろん楽勝でしたよ!攻め落としたら結構獣人の捕虜達が地下牢に捕まってたんですけど、ここ最近満足に食事を与えられてなかったみたいだ。」
ジュリ「それでみんな衰弱してたのね...」
リアム「人間共は捕虜を餓死させる気だったのか!酷い奴等だな!」
ヒロツグ「みんな衰弱してたもんだから、盛大に亀鍋パーティ開いて捕虜達の衰弱治そうかと思ってパワーブラスターに声かけたんですよ。」
ヘクター「ヒロツグお前って奴は...」
リアム「ヒロツグお前って良い奴だな...」
アンジェロ「ああ、お前になら可愛い娘をやってもいいと一瞬思ってしまったわい!」
ジュリ「今日から私の背中に乗せてあげてもいいかなと思ったわ。」
みんな俺の良い話を聞いて涙ぐんでいるな。
良い話には裏があるということを俺が教えてやろう!
光りある場所に必ず影が出来るもんだからな。
ヒロツグ「感動の涙を流してる所悪いけど、この首都を攻め落とす前に人間の農村を手当たり次第占領したから、この痩せ細った捕虜達に飯が行き届かなかったのは俺のせいかもしれないんだ。」
リアム「お前が原因か!」
ジュリ「あなたが元凶か!」
アンジェロ「お前のせいか!痛ぇっ!」バシィ!キン
ヘクター「おい、みんなやめろ!」
ヒロツグ「考えなしに占領した結果がこれだから、これは罪滅ぼしみたいなもんですよ。」
ヘクター「でも、お前のおかげで捕まってた捕虜が解放されたのは事実だろ?そこは誇っておけよ。」
ヒロツグ「いやぁ...それが...その」
ヘクター「なんだ?まだ何かあるのか?」
ヒロツグ「獣人の奴隷が人間に命令されて俺達を襲いかかって来たんですよね。」
リアム「獣人の奴隷に襲われたって!」
ジュリ「ええっ!?」
アンジェロ「ヒロツグお前さんまさか!」
ヘクター「...殺したのか?」
ヒロツグ「歯向かって来る獣人を全員戦闘不能にして、人間と一緒に俺の奴隷に仕立て上げちゃいました♪」
俺はそういって右手で頭を支えて舌を出して、てへぺろのポーズを取った。
アンジェロ「人間の奴隷を自分の奴隷にしたじゃとぉ?なんじゃそりゃー!」
ヘクター「奴隷にしたってことは、殺しては無いんだな?」
ヒロツグ「殺してないけど戦闘不能にするために死なない程度に痛めつけたかな。」
リアム「なんだよ...驚かせやがって!」
ジュリ「ヒロツグさん今の前振り絶対態とでしょ!」
ヒロツグ「みんな包丁で殺そうと襲いかかって来たけど、包丁なんかで俺がやられるわけないじゃないですか!」
ヘクター「それもそうだな...」
リアム「ヒロツグは殺しても案外けろっとしてそうだよな!」
ジュリ「ほんと調子の良い人!」
ヒロツグ「ははは、だからって試さないでくださいよ?」
そんなこんなで談笑しながら飯を食ってると奥さんが声を張り上げた。
奥さん「リアム!ジュリ!そろそろあんた達交代しな!」
ジュリ「は、はい!」
リアム「わかりました!」
ヒロツグ「いってらっしゃい〜!」
リアムとジュリが野菜カッティングにかり出された。
俺はそれを見送ると、エミとルシアとカーターが解放された。
ヒロツグ「おつかれ、こっちはいい具合に出来上がってるぞ、ほら食え。」
俺は皿を取り出し、みんなに亀鍋をよそってやった。
エミ「つ、つかれたぁー!」
ルシア「もう私、野菜みたくない...」
カーター「僕も何往復したかわかりません...」
ヘクター「カミラ疲れたか?」
奥さん「少し休憩したらまた切り刻んでやるさね!」
そういって少し食ってからまた野菜を切り刻み始めた。
深夜まで鍋パーティは続いた。
鍋の後片付けしながらヘクターに今日は泊まってかないかと提案した。
ヒロツグ「今日は城に泊まってく?」
ヘクター「いいのか?」
ヒロツグ「客室もだいぶ余ってるしごゆっくりどうぞ。」
ヘクター「わかった、それじゃお言葉に甘えて休ませてもらおう。」
ヒロツグ「んじゃ俺は眠いから寝るわ、おやすみ。」
その日は城の王室っぽい豪華な寝室で寝た。
〜つづく〜




