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0.いつもの日常
レオには、昔から親しくしている親友がいる。
名前はタオ。魔術師をしている男で、長身に整った顔立ち。どこか暗い雰囲気をまとっているが、黙っていれば誰もが振り返るような美形だ。
ただ、本人は自分の見た目にあまり興味がない。服にも無頓着で、着られれば何でもいいというタイプだった。
そんなタオを見かねて、いつも服を選んでやるのがレオだった。
レオは服屋で働いている。魔法が発展したこの世界でも、おしゃれを楽しむ人間は多い。魔法で服の形を変える者もいれば、職人が仕立てた一着を大切に着る者もいる。レオの勤める店にも、さまざまな客が訪れていた。
服を選ぶことが好きなレオにとって、タオの服を見繕うのはちょっとした楽しみでもある。
「お前、もう少し服に興味持ったらどうだ?」
「着られれば何でもいい」
「そういうところだぞ」
そんなやり取りを交わしながら、レオがタオに似合う服を選ぶ。それが、いつの間にかふたりの恒例行事になっていた。
だから、その日もいつもと同じように過ごすはずだった。
珍しく酒に酔ったタオから、銀色の腕輪を渡されるまでは。




