追伸 校長から卒業生へ
# 追伸 校長から卒業生へ
卒業生へ。
最後に、五軸とは別に、もう一つ伝えておきたいことがあります。
高校に行ったら、勉強以外にも、とても大事なことがあります。
私は、四つあると思っています。
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## 一 信用
約束を守る。
時間を守る。
嘘をつかない。
困っている人を見捨てない。
小さなことでも、
「あの人なら大丈夫」
と思ってもらえる人になる。
信用は、一日では作れません。
しかし、失うときは一瞬です。
だから大切にしてください。
お金より先に信用を考える。
そういう場面も、人生にはたくさんあります。
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## 二 努力
努力は、必ずしも大きな結果を出すためだけのものではありません。
昨日より少し分かる。
昨日より少し上手くなる。
昨日より少し早くできる。
それでも努力です。
そして、
**努力したのに結果が出なかった。**
そんなこともあります。
そのときは、
「努力したのに無駄だった」
と決めないでください。
その努力によって身についたものが、後になって別の場所で役立つことがあります。
人生では、
**努力の結果が、すぐに返ってくるとは限りません。**
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## 三 誠実
私は、これが一番難しいと思っています。
人が見ているところだけ頑張るのではなく、
誰も見ていないところでも、自分に嘘をつかない。
間違えたら、
「間違えました」
と言う。
分からなければ、
「分かりません」
と言う。
できないことを、
「できます」
と言わない。
そして、人に対しても、自分に対しても誠実でいる。
皆さんが大人になったとき、
**「この人は誠実だ」**
と言われる人になってください。
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## 四 真我探し
最後は、少し難しい話です。
私はこれを、
**「真我探し」**
と呼んでいます。
「自分は何者なのか」
「何をしたいのか」
「何を大切にしたいのか」
「どんな人生を送りたいのか」
を探していくことです。
ただし――。
最初から、
「これが自分のやりたいことだ!」
なんて分かる人は、そう多くありません。
中学生で分からなくてもいい。
高校生で分からなくてもいい。
大学生でも分からないかもしれない。
社会人になってから変わってもいい。
一度見つけたと思ったものを、
「違った」
と思うことだってあります。
それでいいんです。
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### 自分を探すために
私がお勧めしたいのは、
**毎日ほんの少しだけ、自分について考えることです。**
一日中考える必要はありません。
ほんの数パーセントでいい。
コンピューターに例えるなら、
**自分自身がウイルス対策ソフトになったつもりで、常に少しだけ自分の状態を確認しておく。**
「今日は何が楽しかった?」
「何が嫌だった?」
「なぜ嫌だった?」
「本当はどうしたかった?」
「今日、誰かに親切にできただろうか?」
「自分に嘘をつかなかっただろうか?」
「このままでいいのだろうか?」
そんなことを、少しだけ考える。
これを毎日続けてください。
すると、ある日、
「あれ?」
と思う瞬間が来ます。
自分が何を好きなのか。
何を嫌うのか。
何を大切にしているのか。
少しずつ見えてくる。
それが、自分探しです。
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## そして最後に
世の中には、
**愚痴だけを言い続ける人**
もいます。
「あいつが悪い」
「社会が悪い」
「学校が悪い」
「会社が悪い」
「政治が悪い」
そう言い続ける。
愚痴を言うこと自体が悪いわけではありません。
辛いときには、誰かに話していい。
弱音を吐いていい。
でも――。
**愚痴だけで終わらないでください。**
「じゃあ、自分に何ができる?」
「少しでも変えるにはどうする?」
そこまで考えてほしい。
愚痴を言うだけで何もしない人が増えると、
周りの人まで、
「どうせ無理だ」
と思うようになります。
私は、それが一番怖い。
世界を本当に変えてしまうのは、
声の大きい人だけではありません。
毎日少しずつ、
「こうしたら良くなるんじゃないか」
と考え、
実際に行動する人です。
だから皆さんには、
愚痴を言う人になるのではなく、
**問題を見つけ、考え、行動し、失敗したら立て直せる人**
になってほしい。
そのために、
五つの力を使ってください。
**理解力。**
**忍耐力。**
**発想力。**
**継続力。**
**回復力。**
そして、
**信用。努力。誠実。真我探し。**
この九つを、これからの人生のどこかで思い出してくれたら嬉しいです。
皆さんが高校へ行き、
その先へ進み、
大人になったとき。
「あの校長、変なことを言ってたな」
と笑ってくれても構いません。
ただ、そのときに一つでも、
「これは役に立ったな」
と思うものがあれば――。
校長として、それで十分です。
皆さん。
良い人生を。
そして、
**自分の人生を、自分で考えて、自分で作ってください。**




