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結婚したら彼が変わった!?  〜婚活後に待っていた“理想と現実”のギャップ白書〜  作者: アレックス・フクリー
Case.4:私だけが“親”になった気がする

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視点の転換④

 妊娠・出産をめぐる女性の変化は、目に見えて劇的です。体調、ホルモン、感情、価値観……自分でも「昨日の私とは違う」と感じるくらい、次々と「母になる準備」が進んでいきます。でも、男性はそうではありません。身体に直接的な変化が起こらないからこそ、「父親になる実感」にはどうしても時間がかかります。ここで忘れたくないのは、「だからダメ」でも「鈍感すぎる」でもなく、"実感するタイミングが違う"だけだということ。女性にとっては妊娠した日から人生が変わり始めますが、男性にとっての"転機"は、意外ともっと後。

 生まれて初めて赤ちゃんを腕に抱いたとき。自分の名前を「パパ」と呼んでくれる日。オムツ替えがうまくいって「よし、やれた!」と感じた瞬間……。

 つまり、彼にとっての"父性"は、「ある日突然湧いてくる感情」ではなく、"関わりの中で育っていくもの"なんです。だからこそ、女性側が「どうして私ばっかり」と感じたときこそ、問い直してほしいことがあります。それは、「彼は今、どこまで一緒に"親になる旅"を歩けているだろうか?」ということ。そして、もし道に置いていってしまった感覚があるのなら、「ちょっと戻って手を引いてあげようかな」と思ってみること。彼が"頼りない"と感じる瞬間も、それは彼の未熟さだけではなく、「あなたが早く進みすぎている」という側面もあるかもしれません。でも、それはあなたが優秀だからこそ、先に行けたということ。彼が追いついてくる時間とチャンスを、もう少しだけあげてみるのも、大人のパートナーシップのひとつの形です。


 夫の無関心や非協力的な態度に傷つくとき、私たちはつい「この人はダメな人なんだ」という結論に飛びつきがちです。でも、そうではなく「まだ見えていないだけかもしれない」という可能性を残しておくことも大切です。女性の場合、妊娠の瞬間から身体に変化が訪れ、否応なしに"母になる準備"が始まります。一方、男性には「妊娠中」という状態を実感する手段がほとんどありません。エコー写真を見ても「なんだかよくわからない」と感じる人もいるでしょう。胎動を伝えても「ふーん、すごいね」と表面的な反応しかできないかもしれません。

 でも、彼が「無関心」なのではなく、ただ「どう関わればいいのかわからない」だけかもしれないのです。女性が自然と身につける「母性」に対し、男性の「父性」は後から育つものだということを認めてあげましょう。それは「彼を甘やかす」ということではなく、「違うペースで成長する余地を認める」ということ。せっかちな気持ちをぐっと抑えて、彼の中に芽生える小さな変化を見逃さないようにしましょう。


「昨日よりは、少し興味を持ってくれたかも」

「前よりは、赤ちゃんのことを話すようになった」


 そんな小さな前進に気づけるようになると、イライラよりも「成長を見守る喜び」が芽生えてくるかもしれません。


 妊娠・出産・育児の過程で、女性は「すべてを完璧にこなさなければ」というプレッシャーを感じがちです。母親としての役割、妻としての役割、そして自分自身の健康管理……それらをすべて抱え込んで、疲れ果ててしまうこともあるでしょう。でも、ときには「完璧を手放す勇気」も必要かもしれません。

 オムツ交換が少しヘタでも、抱き方が不慣れでも、彼なりのやり方を尊重する。「教えすぎない」「口出ししすぎない」というスタンスが、実は彼の成長を促すことも多いのです。最初から上手くいかなくても、彼自身が試行錯誤する中で、"父親としての自信"が育っていくのではないでしょうか。

 もちろん、あなたが疲れ果てて倒れてしまっては元も子もありません。だからこそ、「これだけは助けてほしい」という核心部分をクリアに伝え、それ以外は「できる範囲で」という余裕を持つこと。「完璧な親」を目指すのではなく、「今できる最善」を2人で探していく姿勢が、長い子育ての道のりでは大切になるのです。


「いつになったら彼は変わるのだろう」と、ただ待つだけでは、あなた自身が消耗してしまいます。大切なのは「待つ」のではなく、「一緒に変わっていくプロセスを楽しむ」という発想の転換です。そのためには、"親になる"ということを、2人で成長していく共同プロジェクトと捉えてみましょう。

「こうあるべき」という固定観念を手放して、「私たちはどんな親になりたいのか」という対話を重ねること。「彼はこれができない」と判断するのではなく、「まだこれには慣れていない」と捉えること。そして何より、あなた自身も「完璧な母親」を目指すのではなく、「日々成長している親」でいいのだと自分を許すこと。

 子育てという長い旅路では、互いの弱さを認め合い、支え合える関係こそ、本当の意味での「強いパートナーシップ」なのかもしれません。「できない彼」ではなく「まだ途上にある私たち」という視点で、親になる道のりを共に歩んでいきましょう。

 親になるって、急に「スイッチが入る」ことじゃない。泣いたり笑ったり、不安になったり話し合ったりしながら、少しずつ"ふたりで育てていく役割"なんです。彼の変化を待つのではなく、「一緒に変わっていく」ための余白をつくっていく。それが、あなた自身の心の軽さにも、つながっていくはずです。

 そして、この「親になる旅」の中で見つけた新しい絆は、きっと結婚前には想像もしていなかった深いつながりへと変わっていくことでしょう。それは、新しい命と共に育まれる、かけがえのない家族の物語の始まりなのですから。

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