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第27話(2)

 忍者くノ一のヤタが冒険者ギルド脇の武具店に

 再訪した時には、Bladの刻印が入った剣は

 全て売り切れていた。

 当然ながら店の親父はホクホク顔。

「いやー、久々に美味しい商売だったぜ。

 ちと変な条件付きではあったがな。」

 全て売り切れてしまってガッカリ顔のヤタは

 ため息まじりで

「変な条件?」

「背負い袋なんかに仕舞っていねーで、

 常にメインで使ってくれってな。

 んなこと言わんでも喜んでそうするって

 皆浮かれ気味に買っていったぜ。」

 主武器として使えじゃと?

 確か売っていた武器は、長剣やサーベルといった

 逆手では扱えない武器ばかりじゃった。

 柄の装飾も凝っていて、まるで率先して

 使いたがる様に仕向けている気もした。

 確かに言うまでもない条件じゃが、

 念には念を入れたって事かのう……

「御主人、実はアタシはこういう者でな。」

 ヤタはそう言って御庭番のドッグタグを見せた。

 ガハハと笑っていた親父が急にピタリと止む。

 王宮護衛団の深緑色の認識票!

 御庭番かよ!?

「あ、あの武器に何か問題があったのか?」

「急に不安な声にならずとも良い。

 訳あって製造元を調べておるのじゃ。

 今回の武器、誰がいつ持ってきた?」

 すると親父はカウンターの下をゴソゴソ。

「ちょっと待っててくれ。」

 そう言って間もなく、1枚の紙を見せた。

「買取受付の記載用紙だ。」

「失礼する。」

 ヤタはそう言って受け取り書面を確認。

 氏名欄にはブラドと記載されていた。

「……このブラドという者、どんな奴じゃった?」

「フードを深く被ってて顔は見づらかったが、

 背が低く体型がガッシリしてたから

 ドワーフだろうな。

 フードしてても髭は目立ってたしよ。

 だが名前は偽名かもしれねえ。

 認識票は持ってなかったからな。」

「なるほどのう……」

 にしても完売は痛い。

 1個でもあれば、それを元に

 ヌエが追跡できるかもと思ったんじゃが……

 ぬ?これは……?

「御主人、

 この買取明細にある『その他1個』とは?」

「ああ、そいつか。

 武器が完売したのでスッカリ忘れてたよ。

 まだ棚にあるぜ。」

「……なんじゃと!

 それはどれだ、御主人!!」

 店の親父はカウンターから出てきて商品棚へ。

 その棚は主に靴を陳列していた。

 まさか……!!!

「ほらよ、この靴だ。」

 サイズがかなり小さい。

 22.5くらいか?

 ミズやヌエはダメでもアタシなら履けそうじゃ。

 黒に近いダークレッドの色をした革靴で

 落ち着いたデザインも良いのう。

 小さくて履ける者が少ないのが残った理由か。

 ヤタは、

 仕事としての感覚よりも

 女性の普通のショッピング感覚になっていた。

 そしてニヤリと笑みを浮かべる。

「御主人、これを買うぞ。」

「お!?

 おお、そりゃ有難い!!

 小人族やドワーフは意外と足のサイズが

 デカイからな。

 このまま売れ残ってしまうんじゃねぇかと

 思って心配してたんだ。」

 ヤタは値札の料金を支払って靴を受け取り

 店を出た。

 その後、

 目的の物を買えた女性の満面の笑み。

「フッフッフッ、

 これは役得じゃったのう!

 ちょうど新しい靴が欲しかった頃じゃ。」


 ついでに必要経費で通ってくれれば最高じゃ!

 と思いながらロバスの元に向かうヤタであった。

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