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第20話(3)

 魔素の強い瘴気は、新たな魔物を生み出す。

 そのまま魔法生命体になるものもあれば、

 動植物に取り込まれるものもある。

 それらは体内で魔核が作られ、

 動物から魔獣・妖獣へ、

 植物から妖樹へと変化。

 巡回している王宮護衛団の者たちが

 一般国民を守るべく随所で対応していた。


 ケイトはドールと一緒の帰宅足だったのだけど、

 そう簡単に家へ帰してくれないらしい。

 それに、ケイトの家族が住む場所は

 普段から微量の魔素が溢れ続けている魔法街。

 魔法生命体の自然発生は特に珍しくもなかった。

 しかし目の前に現れたのは、

 最下級とはいえ邪龍に属する魔物。

 魔素が溢れたからといって

 簡単に街中に出現するタイプではない。


「コモドドラゴン……!」


 普段は西区の地下迷宮下層にいるという魔物だ。

 何者かが意図的に連れて来た……?

 敵の陽動作戦は、西門と南門以外に

 街中までも撹乱させるつもりなのね!

 コオオ、

 とコモドドラゴンが大きく息を吸い込む音が

 聞こえた。

 まずい、ブレス(吐息)がくる!

「ドール、散開!」

 ケイトとドールのいた地点に

 火炎のブレスが襲い掛かったが、

 寸でのところで躱してのけた。

 コモドドラゴンは魔界の炎に耐性がある。

 弱点は氷結系だがケイトには苦手な魔法。

 相性が悪すぎとしか言いようがない。

 しかし、ここにはドールがいた。

 ドールが氷結系の魔法を詠唱して

 コモドドラゴンを一瞬にして凍結、絶命させる。

 ドールは王国の魔法使い序列3位の実力。

 氷結系の魔法を行使するのは全く問題無い。

「ありがとうドール、助かったわ。」

「いえ、それよりもケイト様は

 ここで解魔術を見せないのが正解と思われます。」

「誰かが監視している……?」

「はい、このコモドドラゴンから、

 操っている魔力の糸を感知いたしましたので。」

 ドールは魔法使いの技能だけでなく、

 人間すら操る人形使いの技能も有している。

 だから感知できるのだろう。

「糸の先は把握できる?」

「はい、最近発見されたという地下遺跡の辺りに

 首謀者が潜んでいると思われます。」

 地上に出現した魔物たちは

 王宮護衛団に任せれば大丈夫よね。

「よし。

 ドール、そこに案内して。

 コモドドラゴンを送り付けた

 奴の顔を見てみたいわ。」

「かしこまりました。」


 地下鉄遺跡への侵入。

 そこに忍者ロバスも向かっているとは

 思ってもいないケイトであった。

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