ショートケーキ
「はい、これ。」
僕はショートケーキを二人分、皿に取り分けた。僕のアパートに来てくれた彼。
『どうも。』
「ちょっと待ってね。ロウソクも用意するから。」
今日は彼の誕生日だったので、僕は二人分のケーキを買ってきていた。
僕は彼のケーキの一本立ったロウソクに火をつけ、部屋の明かりを消した。
ロウソクの炎で、彼の丸い顔がオレンジ色にぼんやりと照らされる。
「お誕生日おめでとう。」
『ありがとござます。』
僕はパチパチと拍手すると、彼は照れた顔で、片言の日本語のようにお礼を言った。
彼は、ふっとロウソクの火を消した。一瞬訪れた暗闇。
再び灯された部屋は、幸せな空気に包まれていた。
「どう?一才歳をとった気分は。」
『別に変わんないっすよ。』
頬を少し赤らめた彼は、恥ずかしそうに答えた。
「何お願いした?」
『え。いや~、願い事なんか考えてなかったっす。』
「え~、そうなの~?」
『いいじゃないすか。もう願いは叶ってるんだし。』
「え。それって…。」
彼はフォークで大きなイチゴを口に運び、満足げにこっちを見た。
可愛い…!!
「も~。大好き!」
僕は心の中で彼への想いを叫んだ。
「ね。今日泊っていけるんでしょ?」
『え。どうしよっかな~。』
僕と彼が付き合ってから、初めての彼の誕生日。これからもずっとお祝いできたら、どれほどの幸せだろうか。
外は白い雪が降り続いていた。窓から見えるその部屋には、二人の笑顔がこぼれていた。




