どうやら異世界トリップしたようです……2
もたもたしている内に、1年終わりそうで焦りました((´д`;))
そして今回、実は前話の後半部分を修正して次話にしただけという……。なので、ちゃんとした次話じゃないんです。すみませんorz
「――もう、大丈夫か?」
その言葉に、こくりと頷く。
私は今、些か大きなソファーに寝かされていた。
あれからどう思ったのか、男は無言で私を抱え上げ、近くにあったこのソファに降ろしてそれから今までずっと、足をマッサージしてくれていた。
正直、その行動がよく分からない。
だからと言って、その行為を無碍にする事など出来ず、男が何か言い出すまでずっと黙って見ているだけだった。
「すまなかったな」
「…………いいえ」
男はとても申し訳無さそうな顔をして、私に謝って来る。
「俺がもう少し早く気付いていれば……いや、もう少し早く声を掛けていれば、君の足が痺れる事もなかった」
律儀な人だと思う。
だって、ただ足が痺れただけで、私(体重約47kg)を抱え上げ、ソファ(床が妥当だと思う)に降ろし、わざわざマッサージ(放置でも大丈夫だった)までしてくれたのだ。
そうじゃなければここまでの事をしないと思うし、余程のお人好しでもない限り、考えられるのは律儀という言葉だけだった。
美形で美声の上に、性格も律儀だなんて、さぞモテる事だろう。この性格なら、男の人だってもしかしたら……。
オタクの兄が、びぃえるびぃえる! と叫んでいる姿が浮かび上がる。びぃえるとは、ボーイズラブ(男性同士の恋愛の事)という言葉の略らしい。私にはよく分からないが、兄はよくこの言葉を日常的に使っていた。
「……どうかしたか?」
「いいえ、何でも」
妙に申し訳なくなってしまったのは、わざわざマッサージまでしてもらったからだろうか?
何故か、兄の生暖かい笑顔が見えた気がした。
「所で……率直に聞くが、お前は“ただ”の人間か?」
「…………私は、人間に見えませんか?」
「いや、どこからどう見ても人間にしか見えない」
「なら、私は人間です」
「……何だ、それは」
何だ、と聞かれても。
私は私を人間だと思っているし、私を見た人も私を人間だと思うだろう。
「俺はそういう事を聞きたいのではなく……いや、もういい。お前はただの人間だ」
「はい、そうです」
何でそんな事を聞いてきたのだろう。
まあ、何か事情でもあるのかもしれない。だからと言って、呆れ気味の顔で見られるのは、少し心外だ。
「あの」
「何だ?」
「……何故、私をこの素晴らしく(強調)柔らかいソファーに運んでくれたのですか?」
とりあえず、少し気になっていた事を聞いてみた。何故か兄が「もっと他に聞くことあるだろ、このド天然!」と叫んでいる気がしたが、よく分からないので気にしない事にした。
そんな事よりも、私はこの男の不可解な行動が頭から離れないのだ。……もしや、土下座の誠意が伝わったという事なのだろうか。
…………うん。なら、納得出来る。
「なるほど、土下座は間違っていなかったのですね」
「は?」
意味不明、とでも言う様な怪訝な顔で、男は私を見る。
……どうやら土下座ではなかったらしい。
「私の土下座は完璧に思われたのですが……。何がいけなかったのでしょうか」
「何の事だ」
「土下座です」
そう答えれば、男は深い溜め息を吐いて、私を見る。先程と言い、少し呆れた様な顔だったが、よく分からないので私は何も言わなかった。
ちょっと色々修正したので、前話を読んだ方はお手数ですけど、修正した前話から読んで頂けるとありがたいです……。ちゃんとした次話は来年に更新する予定です。
不定期ですが、来年は頑張って毎月更新を目指しますので~(>_<)
では、来年もお願いします~m(_ _)m