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「神と悪魔とサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第26巻)  作者: サナダムシオ


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⑫ 怪物退治

 ソイツは、大きくて白い、何だか毛むくじゃらのバケモノだった。まさかコレが、ウワサに聞くサスカッチ……つまり雪男なのか?多くの話を集約すると、そのイメージは白いゴリラのような姿のはずだが……。


 だがコレではまるで……。

「……まるで、シロクマか、ジャイアントパンダみたいでしょ?」


 バケモノの向こう側に居る、雪子がそう言った。

 彼女も既に、オリハルコンの剣を抜いていた。

 つまり今、ジャンヌと雪子で、その怪物を挟み撃ちにしている状態だ。


「実際、そうなってしまった個体も、居るようだけど……今目の前に居るコイツは"メガテリウム"。古代哺乳類の生き残りよ。身長2mってところかしらね?そしてコレが、雪男の正体なのよ。」

「そう……なんですね?」


「元を正せば、ニンゲンの男の姿だったんだけど、ヒトの魂を奪うついでに、その肉まで食べてしまったあげく、すっかり理性を失ってしまった姿がコレって訳。」 

「ええっ!?」


「……まあ、この知識も、あの中途半端な雪女、村田京子から聞いた、受け売りなんだけどねっ!」

 雪子は喋りながらも、そのバケモノへの攻撃の手を緩めなかった。


 しかしながら、彼女が飛び上がって、叩きつけた剣は、雪男の長いカギ爪で弾き返されてしまった。

「何よ。オリハルコンより硬い爪なんて、聞いてないわよ。反則だわ。」

 思わず悪態をつく雪子。


「しかもコイツ、雪と氷を自在に操れるから、この山で起きる、雪崩も吹雪もコイツのせいなのよ。」

「成る程。流石は雪男ですね?」


「あと、コイツの眼を見つめちゃダメよ。精神を操られて、この寒空の下で、全裸になりたくなるわよ。」

「ああ、だから下着姿のご遺体が有ったのですね?」


「そういう事!」

 今度は剣を横に薙ぎ払うが、またもやカギ爪で防がれてしまった。大きなカラダの割に、俊敏に動けるバケモノだ。


 そうこうする内に、また吹雪が始まった。

 明らかにピンポイントで、強風と雪が、雪子とジャンヌを狙って来る。


「私と貴女で、同時に斬りかかるしかないわ。でもその前に、この吹雪を何とかしないと……。」

「……やってみます。」


 吹雪の中で、ジャンヌが意識を集中する。

 すると舞い散る雪が、彼女の前でまとまり、空中で直径1m程の、大きな雪玉になった。


 ジャンヌはチカラを使って、ソレをバケモノの顔面に向けて投げつけた。

 バケモノは両腕を前に突き出し、直ちにその雪玉を粉砕した。


 しかし、細かくなった雪玉はそのまま直進し、ピンポイントで、雪男の両目を塞いで、その視界を奪ってしまったのだ。

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