表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本霊異記 現代語版  作者: はまゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/22

第二十 お湯を沸かす薪を勝手に使った僧が、牛に生まれ変わって罰を受けた話

延興寺に惠勝えしょうという僧がいた。

この惠勝法師は生きている頃、お湯を沸かすために使う薪を一束、勝手に他人のものから取って使っていた。それが原因で死んだ後、彼は牛に生まれ変わった。

ある日、その寺で一頭の雌牛が子牛を産んだ。その子牛が大きくなったある日、車に薪をたくさん積んで寺の中へ入ってきた。

牛を引いていた人は、寺の門の前でこう言った。

「惠勝法師は、『涅槃経』は上手に読めたけど、車を引くのは下手くそだったなあ」

すると牛はそれを聞いて、大きな目からポロポロと涙を流し、深いため息をついた。そして突然、その場で倒れて死んでしまった。

牛を引いていた人は激怒して、近くにいた僧を捕まえて叫んだ。

「お前が牛に呪いをかけて殺したんだろう!」

そのまま役所に訴え出た。

役人は事情を調べるために、その僧を呼び出して尋ねようとした。ところが、僧の顔を見た瞬間、役人はびっくりした。

その僧の顔立ちは非常に高貴で美しく、まるで絵に描かれた観音菩薩のようだった。役人はすぐに絵師を呼び寄せ、言った。

「あの僧の顔を、間違えずにそっくりに描いて持ってこい」

絵師たちが描いた絵を見せられると、役人も周りの者たちも全員が驚いた。

それはまさに観音菩薩の姿そのものだった。

その僧は、突然姿を消してしまった。

これを知るべきである。これは観音菩薩が姿を変えて現れたものであり、もう疑う余地はない。

たとえ空腹で倒れそうになっても、砂や土を食べてでも我慢すべきだ。決して、寺の常住物(寺の共有財産)を勝手に使ってはいけない。

大方等経にこう説かれている。

「四重の罪(重い罪)や五逆の罪(最も重い罪)であっても、私は救うことができる。しかし、僧の物を盗む者だけは、私は救わない」

まさに、この話はその通りだと言えるだろう。


解説

この第二十話は、寺の物を勝手に使った報いとして牛に転生したという、仏法僧への悪事の因果応報の恐ろしさを描いた話です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ