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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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丸太は見なかったことにした。

 一斉にゴーストが泉の中から現れ、こちらに襲い掛かってくる。


「アリマ…」

「は、はい!」


 小さな杖を構え呪文を唱えようと口を開いた。


 が。


「あ■■■■■■、■、■■、■■■■■■■…ぅ、なんで…」


 呪文の声が突然くぐもり、何の魔法も発動しなかった。


「………もういい、自分だけを守ってろ」

「ごめ、ごめんなさい…」


 もしかしてこれも呪いか?


 それを横目でアスティベラートが見ながら、息を吸い込んだ。


「ここは私達が何とかして道を開く。お前は気にせず奴に挑むがよい」


 ゴーストの方を向き、声に圧を込め始めた。


「功太。これからアスティベラートが道を開ける。お前達もう呪いが発動しているんだろ?」

「………」


 返事はない。


「俺達はまだ時間がある。短いけど、全力でサポートするから」


 功太はちらりとこちらを見て。


「わかった…」


 と頷いた。


「道を開けよッッ!!」


 アスティベラートの威圧によってゴーストの真ん中が消し飛んで、道が出来上がった。

 その瞬間、功太が剣に光を溜めて打ち放った。


 発動や溜めの時間が短くなっている。

 

 それだけでも驚いたのに、光の帯の大きさが明らかに増大していた。

 そういえば功太もパスダンをクリアしているんだったな。


 光の帯はゴーストの壁を削りながらガブリエリスへと接近していく。

 さっきの俺の矢のように小さくはない。

 避けるにしても、この距離じゃ避けきるのには難しいだろう。


 だが、ガブリエリスは口許を笑みの形にすると、叫んだ。


「!!?」


 全身に鳥肌が立つような不協和音。

 一斉に黒板を爪で引っ掻いたかのような不愉快な音が広場一杯に響き渡った。

 咄嗟に耳を覆ったが、なんて声。

 うるせえ。


「ふきゅるるるる……」

「ら、ラピスラズリ!!」


 耳を塞いでも駄目だった半獣人のラピスラズリが頭を回してエルフの人、ルフェルに倒れ込んでいた。


「あ」


 その時に気付いた。

 功太の攻撃が防がれてしまっていた。


 前方にあるのは巨大な氷の塊で、目を凝らしてみてみると、それは数万ともなるゴーストの集合体だった。

 もうもうと白煙が立ち込めていたのが消えていく。


「ちっ」

「………」


 功太さん。

 君そんなに舌打ちする奴だったかなぁ。


「ひっ…、来ます…!」


 壁となっていたゴーストがこちらにやって来る。

 一部、功太の攻撃によって薄くなっている所もあるが、そんなもの関係ないとばかりに壁が崩れて、ゴーストは縦横無尽に飛んでくる。


「ろろろろロエテムっ…!!」


 待ってましたとばかりにロエテムが皆の前に転がり出て、全力で光を放ち始めた。

 ていうか何あのポーズ。


 戦隊もののポーズを決めながら光を放つロエテムの側を通過しようとしたゴーストが全滅した。

 うーむ。

 俺の矢の火は駄目だけど光は効くっぽいんだよな。

 だって功太の光を嫌がってるし。


 仕方ない。

 今回はサポートに回るか。


 ガブリエリスには効き目が薄くともゴーストには効く光属性の矢で消し飛ばしていると、「けほっ」と近くで咳が。


「アスティベラート…?」


 驚いたような表情で喉を押さえているアスティベラート。


「アス──」

「気にするな。ただの咳だ」


 ノクターンも少し不安げな顔だったが、とにかく支援をしなければとロエテムを操りながら魔法を唱えようとして。


「………??」


 一瞬止まる。


「ノクターン?」


 アスティベラートがどうした?と問い掛ける。


「いえ…なんでもありません…。えと…」


 その後、攻撃力増加や防御力増加を発動させた。

 気のせいか?


「朝陽、本当ならもう少し近場で戦いたい。でも、今は此処から動くことができない」


 突然功太からそんなことを言われた。


「もしかして、功太達もう呪いが?」

「…………ああ、発動している…」

「うっわー」


 通りで動こうとしないわけだ。

 見るからにこの三人がずっと空ぶっているというか、困惑してるというか、違和感があった。


「…!」


 なんとなく視線的なものを感じて後ろを見たが、生き物とかゴーストは居なかった。

 ただ、なんでか転がっている大きい丸太が一つ。


「……………」


 まさかとは思ったが、俺はゆっくり視線を前に戻した。


「お前の仲間はその二人だけか?」

「ううん。まだいる。もう少しでたどり着けると思うけど、兵士達が邪魔してるかも」


 功太、二度目の大きな舌打ち。

 うん。慣れないな、これ。こっわ。


「その仲間が来たら、二人で前に出るぞ。お前の呪いが発動する前に片を付けないと全滅する」

「うん、わかった。そうしよう」


 カウントを見ると俺のもなかなか心もとない数字になっていた。


 その時。


「どっせええええええいい!!!!」


 背後で大きな音と共にドルチェットの声が聞こえた。

 来た。


「すまん!遅れた!大丈夫か!?」

「うわ…なんですかあれ…」


 クレイとジルハも到着したらしい。


 よし、これで攻防揃った。

 前に出られる。


「クレイ!!サポート頼む!!」


 そう呼び掛けると。


「わかった!!任せろ!!」


 との声。


「いくぞ、功太!!」

「ああ!」


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