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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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副作用発生中

 クロイノの背中に乗せられてぐったりしているノクターン。

 原因は魔力の使いすぎによる過労だった。

 ノクターンは今回のダンジョンで【魔力】を選択し、体内にある魔力貯蔵を急激に増加、後にフル回転で神経と連動している魔力経絡の磨耗、同時に大量の魔力を使った為に起こる魔力欠乏と魔力疲労が積み重なってダウンしたのだ。


 まぁ、それはみんなにも言えることだけど。


「………目がいたい」


 猛烈に目薬が欲しい。


 分かる。きっと【千里眼/点穴】のせいだろう。

 眼精疲労の酷い感じで、正直なところ目を閉じていたい。


 なんで細かい擦り傷とかは治してくれたのにこういうところは放置なんだよベートさん。


「お願いします。連れていってください」


 歩けるけど目を開けていたくないので目の前のクレイの服を掴んだ。


「お前…、おれも疲れてるんだぞ」

「お願いしますお願いしますお願いします」

「はいはいはい。わかったよ。転ぶなよ」


 必死の懇願で折れてくれた。やったぜ。


 比較的に元気なドルチェットとアスティベラードがぐったりしているみんなを見て小さく溜め息を吐いていた。


 この二人は何を選択したんだろう。【攻撃力】かな?


「というか、先ほどからお前はなんなんだ。ずっと耳やら尻尾やらが出ているではないか」

「いやぁ、新しいスキルのせいですかね。なんでか安定しなくて…」


 目を瞑る前のジルハの姿は半獣人だった。

 ここの世界の獣人はほとんど完全な獣型で、ジルハのような混ざりものは珍しいらしい。


 といってもそもそも獣人自体がこの辺りの地域、キムラヌート地方には殆ど居なくて、住み処にしているのはカイツール地方の大森林なのだという。


 ではそこが故郷なのかと聞けば、「違う」との回答と共に微妙な顔をされた。

 どうやら事情があるらしい。


「もしかして、お前…、人工か?」


 人工?


 アスティベラードの質問にジルハはしばらく黙る。


「…………、まぁそんなところです」


 会話が止まってしまった。


 はぁーっ!と大きなため息。

 そして、「あーあ」とドルチェットが言う。


「もーいいだろ?仲間だし話しちまえよー!」

「いや、だって」

「じゃーいいよヘタレ!自分が言う!!」

「止めて!自分で言うから!」


 目を瞑っているから分かんないけどもみ合っているような音が聞こえる。


「…皆さんは、人工的に他種族を作り出すって実験の話しは知ってますか?」

「おれは知ってるな」

「私も知っておる」

「もしかして俺だけ?知らないの」


 そんなことできるなんてな。

 あ、でもキメラとかだったら分かるかも。

 でもジルハはキメラじゃないから違うか。


 そんな俺にクレイが説明を始めた。


「世界には色んな種族がいてな、巨人からドラゴン、精霊、獣人と幅広い。そんなかでもおれ達人間種は数が多いだけで、戦闘に関しては劣等種の位置になっている」


 へぇ。と、返事をした。

 そういえば功太の仲間にエルフもいたなと思い出した。


「レベルを上げれば渡り合えるが、そもそも種族に応じて平均レベルや上限が違うんだ。その弱点を補おうとして、昔から魔法を使って人間を強制的に変異させる実験がされてたんだ。といっても噂だけどな。でもまさかその成功例がいるとは知らなかった。そんな感じだろ?ジルハ」

「ええ、その通りです。といっても魔法なんて生ぬるいモノじゃないですけど。僕はこのわけの分からない体を元に戻すために付いてきたんですよ、このじゃじゃ馬に」


 きっとジルハはドルチェットを見ているんだろう。


「治す当てはあるのですか……?」


 話を聞いていたノクターンが回復してきたのか会話に加わる。


「分かりません。けれど、世界は広いですから」


 どっかにあるかもしれないな。

 ドラゴンボー●的なものが。


「ん?そういえば最初はドルチェットに連れられてっていってたよな。あれ?逆だった?」

「いんや。合ってるぜ。つっても、こいつがウダウダしているから引っ張り出して来たんだよ」

「ちなみになんでドルチェットは館燃やしたの?」

「うっ!」


 ドルチェットが変な声を出した。

 あれ?そんなこと言ってなかった?


「………………その…」


 珍しくドルチェットが言い淀む。


「……………えーと、あの、あれだよ」


 なんだろう。


「……嫌がらせてきな?」

「………………ほーう?」


 嫌がらせで放火とか凄いなドルチェット。

 俺も燃やされないように気を付けよう。


「そろそろ街につくぞ。薬屋行ってから宿を取ろう」


 クレイによって会話を強制的に終了させられ、各自返事をしつつ街へと戻ったのであった。


 

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