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俺の飼い主 僕の異能力ペット  作者: 一つの装置
怪物獣道ファング 願いを求める500チーム
59/93

54話 下手の小糸

どもども!裁縫で指に針刺さってからトラウマです


よろしくお願いします!


星が輝く中、気味の悪い声がこちらに語りかけてくる。


「ゲームだ?なんだよゲームって!この血の匂いと関係あるのかよ!答えやがれ!」

「今質問しているのはワシじゃよ?答えるのはお主らの方じゃ。参加するのか?しないのか?参加しないならばさっさとここから立ち去ることをオススメするぞ?しかし参加するのであれば・・・・」


その瞬間、導かれるように、山の出口を塞いでいた網目状の白い糸が、一本一本生き物のように動き、山の中に消えていった。


「ッ!」「でちゅ!?」「糸が・・!」

「自分の目で確かめれば、お主の疑問も、晴れることじゃろうて」

「・・・・・・」


サシミと剣山は迷う事なく何も無くなった山の入口に向かって歩みを進めた。すると、


「ちょっと!サシミ!!」

「ゴホッ!剣山!」


禎と虎太郎が二匹の腕を掴んだ。二匹はその足を止め、二人に向き直る。


「あ?んだよ!ただし!」

「おかしいって!煽ったり、誰も入れないように糸を張り巡らしていたのに簡単に入れるなんて・・まるで入れって言ってるみたいじゃないか!なんだか嫌な予感がする!」

「そうでちゅ!そうでちゅ!」

「一度戻って、武捨さん達に相談すべきだよ!」

「剣山もだ・・」

「「・・・・・・・」」

「ワシは別にどっちでもいいんじゃが、どうするか早く決めてくれ・・ワシも忙しいんじゃ」


智晴とハリちゃんも二匹に近づき、ハリちゃんはその場で小走りしていた。サシミと剣山は握られた腕を見つめ、自身の飼い主の顔を見つめると、


「・・・嫌だね」「・・・断る」

「ッ!」「剣山・・!?」


手を払い除け、再びその歩みを入口に向けて進めた。禎達はその行動に混乱している。


「な・なんでだよ!」

「ムカつくんだよ!!ゲーム、ゲームって・・・前までのこのバトルを楽しんでいた俺をみてるみたいで腹が立つ!!この声の主をぶっ飛ばさねぇと気が済まねぇ!ここでコイツを見逃したらきっと後悔する。入るぞ!!」

「剣山!!」

「異能力ペットがそこにいるのに、尻尾巻いて逃げることなど俺にはできない・・・」

「サシミンとけんけんの言い分もわかるでちゅ・・・元々はハリが連れてきたんでちゅ・・でちゅ〜!こうなりゃどうにでもなれでちゅ!!ハリも入るでちゅ!!」

「え!!ちょっと待ってよ!!」


サシミと剣山が山の入口に入るとハリちゃんも山に向かって走り出した。それを禎達が追いかける。そして追いついた次の瞬間、


「何!?」「ひっ!」「でちゅ!」


どこから出てきたのか、真後ろからすごい勢いで、また糸が網目状に張り巡らされ、今度は山から出ることが出来なくなってしまった。


「これじゃあ、出れないね・・」

「でちゅ・・」

「合計で3チーム・・・全員参加でよろしいかな?いいじゃろう。人数は多ければ多いほど良いからの〜」

「そんなのどうでもいいから教えやがれ!!テメーの言うゲームってやつをな!!」

(うわぁ・・サシミいつもよりキレてるな〜)


サシミの顔は誰がみても怒っているとわかるような顔をしており、歯をギリギリ鳴らし、手をゴキゴキ鳴らしていた。


「まぁ待て若いの。今から話すからそう焦るな。最近の若いもんは短気だから困る・・・」

「じゃがましいぞジジィ!!年寄り!年配!入れ歯!」

「どんな悪口・・入れ歯は完全に偏見でしょ・」

「口まで悪いの〜騒がず静かに聞きなさい。でないとお主ら確実に・・・・












死ぬぞ?」

「・・・・・・」

「・・・・」「で・・でちゅ・」


姿は見えないが重くのしかかる声が山の木々に反響して聞こえた。その言葉にサシミ達は言葉を失い、静かになった。


「ホウホウ、やればできるじゃないか。ならば簡単に、迅速に説明しよう。ワシの考えたゲームをな。静かに聴くように」

「・・・」「・・・・」「・・・・」


全員静かに声の聞こえる暗闇の中を見つめる。何も見えないが、見つめないといけない気分になったのだ。


「今からお主らはこの木々が生茂る山の中でワシとワシの仲間の異能力ペットから逃げてくれればよい。もちろん戦ってくれても構わん。朝日が昇るまでに生きていれば、ここから出してやろう。それだけじゃ。簡単じゃろ?」

「鬼ごっこみたいでちゅ・・」

「おいジジィ、テメーは最初に『君達も』っつったよな?参加者は俺たちだけじゃねぇんだろ!どんだけいやがる!そいつらはどうしてこの山にいるんだ!!嫌でも臭ってくる血の臭いはまさかその参加者の血じゃねぇだろうな!教えろコラァ!」

「そうでちゅ!教えろでちゅ!」


喉が痛くないのか。サシミ達は唾を飛ばしながら、闇に叫ぶ。


「さっきも言ったじゃろ?自分の目で確かめろとな。参加者の数も血の臭いも何故参加しているのかも、お主らの足で探し聞けばよいではないか。もうゲームは始まってるんじゃから!ホウホウホーウ!」


すると、闇の中で高らかに笑う声が徐々に小さくなっていった。


「おいジジィ!おい!」

「・・どっかいっちゃったみたいだね」

「クソッ!」

「・・・これからどうする?入口は完全に封鎖されている。朝日が昇るまでここで待ってるゴホッ!」

「んなわけねぇだろうが。それに、ここまで準備した野郎が朝まで逃げ切った奴を家に帰すわけがねぇ・・・・」

「・・だろうな・・」

「ど・どういうことでちゅか?」


ハリちゃんの問いかけにサシミは、自身の舌を出しながら首を掻っ切るジェスチャーをした。目の前でハリちゃんが震え上がっている。


「マジ・・でちゅか・」

「そうならねぇように、今からやるべき事は一つだぜ。この裏山を占拠している異能力ペットをぶっ潰す!そうと決まればさっさと行く・・・・ぞ・・」


先程声の聞こえた、方向に歩き出すと一瞬で足を止め、今度は全く動かなくなった。


「なんだよこれ・・・」

「中は更に地獄だな・・」


そこには地獄が広がっており、山の中のあたり一面、糸が無造作に張り巡らされていた。木々の間や切り株、木から垂れ下がっているものもある。


「随分と能力の使い方が下手くそでちゅね・・」

「この光景を見てわかっただろ。慎重に動け。でないとすぐにバラバラだ・・」

「わかってるよっと!あのジジィは俺がぶっ飛ばす!」

「サシミ!?待ってよ!」


サシミは剣山の忠告を聞いていなかったのか、持ち前の身軽さで糸を潜り、跨ぎ、走っていった。その後を禎が糸に当たらぬようにゆっくり避けながら追いかけていった。


「・・・あの馬鹿どもは置いといて、遠回りになるが俺たちは糸の少ないところを通って行くぞ。こんな所で死ねないからな。ハリヤマ、念のため、いつでも能力が出せるようにしておけ」

「了解でちゅ!」

「この森林を進めば自然と向こうから近づいてくるだろう。その瞬間・・・・」


剣山は右手を上げると刀身が物凄く長い刀を取り出し、綺麗に構えた。















「俺の刀でそいつの首を斬る・・・・」






──────────────────────




「ハァ・ハァ・ハァ。サシミィ!待ってよー!!」

「遅ぇぞただし!!そんなんじゃジジィに追いつけねぇぞ!ぶっ飛ばせねぇぞ!」

「ハァ・ハァ、さっきの奴がどこに行ったかわかってるの?」

「知らん!」


かなりの距離を走ったがサシミに疲労は一切見えず、禎は膝をつかみながら肩で息をしている。何度か顔や足が糸に当たりそうになったが間一髪避けていた。


「それなら、追いつくんじゃなくて逃げるんだよ!!なんの作戦もなしにこんな動きまわることができない場所でもし鬼に出会ったら勝てるわけない!まずは落ち着いて、その怒りを鎮めてハァ・ハァ」

「十分鎮まってるっつーの!それにしても、なんでこんなことをしてやがる。それを聞きださねぇとこのむしゃくしゃは収まらねぇ」

「相手の場所も分からずに行動するのは無駄だって言ってるんだ!幸いなことに向こうはサシミの能力が何なのかはわかってない。僕たちは相手が糸の能力だということがわかってる。ここはアイツらが作った縄張りだ。よく考えてよく対策しよう」

「チッ!ならついでに他の参加者を探すぞ。もう1チームの能力がわかるかもしれねぇ・・」


サシミはまた糸を潜り抜け歩みを進めた。今度は禎が追いつくように歩いている。


「ついでって・・そうだ・・臭いでわからないの?血の臭いがした場所・・・」

「ずっと臭いは嗅いでるが気分が悪くてどうにも・・・・あ?何が近づいてくるぞ・・・」

「えっ!?」


サシミはどんどん匂いが強くなる方に前屈みになり体制をとった。


「・・どんどん血の臭いが近づいてきやがる。足音がどんどん大きくなりやがる。走ってるのか・・?かなり焦ってるぞ・・」

「ど・どうしよう!」

「そんなの決まってんだろ・・・」


更に前屈みになると右拳を怪物化させた。


「迎え撃つ!」

「・・・・・・」


地面を巻き込んで走ってくる音が近づいてくる。そして暗闇から現れたのは、







「誰か!!助けてくれぇ!!!!」

「参ったって!!降参するからぁ〜!」





「異能力・・・ペット!?」

「アイツらがもう1チームの鬼か!!」


男性とトイプードルの異能力ペットであった。両者とも、涙を流しながら絶望の表情を浮かべている。サシミは気にせず右拳を振りかぶった。


「違う!あの人たちもきっと参加させられているんだよ!!」

「は!?他の異能力ペットバトルの参加者が、これに参加してるってのか!?」


その振りかぶった拳を禎が静止させる。

こちらに向かってくる男性を見ると至る所から血を流しており、服もボロボロだった。


「きっと鬼に追われているんだ!助けよう!!」

「チッ!わかったよ!!」

「おーい!!おーい!おーい!」


禎は走ってくる男性とトイプードルに気付いてもらうため両手を上げ力強く振り合図を送った。


「ああ!他の参加者か!助けてくれぇ!!お願いだぁ!」

「わかりました!!サシミ行こう!!」

「さっきまで!作戦を考えろとか言ってたくせによぉ!!猫遣いが荒いぜ!ただしはそっから動くなよ!今いくぞ!犬!」


サシミは男性達の方へ糸を避けながらすごいスピードで走り出した。男性達も最後の力を振り絞るかのように全速力でこちらに向かってくる。


「やった!助けに来てくれた!助かったぁ!!」


こちらに走ってきてくれるサシミにトイプードルが感涙していた、次の瞬間















サクッと音がすると辺り一面に血が舞い上がった。






「・・・・ぁ・・」








「ッ!」「・・・え・?」





なんの前触れもなく木から糸が飛び出してくると反対方向に生えていた木に張り付き、男性の両足、そしてトイプードルの首を切断した。それと同時に男性の首も能力半径内にいたため切断され、二つの首が地面を転がった。


「・・・・・・」

「あ・・ぁぁ・・・ウブッ!オェゥェ!!ゴホッ!オェオェェ!」


今も放心状態のサシミ。今日食べたご飯が禎の目の前に映る。この山の地獄の遊びは




























まだ始まったばかりだった。









残り・407チーム







ありがとうございました!



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