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俺の飼い主 僕の異能力ペット  作者: 一つの装置
怪物獣道ファング 願いを求める500チーム
52/93

47話 殺気より色気

お久しぶりでございます・・すいませんでしたァァぁぁ!!


お願いしますぅ!!!

黄色い線があんころ達の前に現れる少し前、

芭蕉高校の校舎裏


「殺呪呪呪呪殺ッ!!!!!」

「ドリァ!!!」


サシミは『猫ジャンプ』で火星ちゃんの目の前まで行くと左拳を怪物化せずに殴った。しかし火星ちゃんはその攻撃を見事にかわすと持っている木の枝を振り下ろす。


「チィ!」

「殺・・殺・・・」


サシミは後ろにジャンプするとまた距離をとった。しかし


「サシミン来るでちゅよ!!!ハリ達に向かってきてるでちゅ!!」

「了解!ぶん殴ればいいんだよな!!ぶっ潰す・・」

「違うから!味方!その子味方だから!!」


火星ちゃんはサシミに向かって突進してくる。サシミもその場で軽くジャンプしながらニヤリと笑った。


(能力はわかった。出すタイミングも。だがわからねぇこともありやがる。こいつの考えていることがわからない。大抵の生き物は行動で示す。こいつまるで虫みたいだ。行動が読めねぇ。壁を走ったり、急に大声をあげたり。同じ猫だとは思えねぇ)

「呪呪殺呪殺!!!!!!」

「!!何を考えてるかわからないって考えんのはめんどくせぇ!!!!俺は行動に移す!ぶん殴る!虫じゃねぇからな!」

「サシミ!!ダメだっ「違うよ?」え・?」


禎の隣で爪を噛んでいる万歳はそう呟いた。


「・・・・何も考えてない?真逆だよ。あの子はきっとこの中の誰よりも深く考えている。その考えが360度回転して考えてないように見えるんだ」

「あの・・それだと元に戻ってるからやっぱり考えてないんじゃ・・・」

「・・・・不思議なんだよ。マゼラブート星人・・・不思議だなぁ!手が蚊に刺された時に、他の所を刺されたとは桁違いの痒みが襲ってくるように、夢の中でトイレしてたら目が覚めたら漏らしてたように、不思議だなぁ!!」

「・・・・・」


万歳はその場で両手を上げながら辺り一面をクルクルとコーヒーカップのように回った。


(この人も大概だよ・・・・)

「富士崎さんも大概ですけどね!」

(言ったぁ!雨森さんが言ったぁ!)

「まぁ、あの子の友達だからね。不思議は不思議に惹かれるんだよ。どうだい?このネックレス、不思議なことが身に起こる。37回払いでいいよ。値段は・・・ふふふっ」

「サシミーン!この人ヤベェーでちゅ〜!!」

「だろうなっ!!」


サシミは右拳を凄い形相で走ってくる火星ちゃんに向け構え、左手でその右腕を支える。由里香戦で使った攻撃と同じポーズだった。


『怪物化 右腕ェェェ!!』

「サシミダメだ!」

「呪?」

「伸びたでちゅー!!!」

「おおーーー」


サシミの怪物化した腕が火星ちゃんに一直線へ伸び、太くなっていく。火星ちゃんと腕が目と鼻の先になった次の瞬間


「呪ッ!」

「でちゅ!」

「何ッ!!??」


綺麗に火星ちゃんは両足を広げジャンプすると、怪物化した腕にしがみついた。絶対に離さないとサシミの顔を見ながら枝を持っている手に力を入れる。


「スゲーでちゅ!体操選手みたいでちゅ!」

「この野郎!!離しやがれ!どんな身体能力してやがんだよ!」

「殺死!!!」


火星ちゃんは空に向かって叫ぶと身体を上下したり大きな腕を摩る。するとサシミが


「ブハッハッハァァ!!!やめ・・やめやがれドハッハハッハ!ァァ!ハッヒッヒッ!ドバハッハ!!」

「サシミ!?」

「サシミくんどうしちゃったの?」

「ついに、ガチ怪物になったんじゃないでちゅか?」

「・・・・くすぐってる」

「「へ?」」「でちゅ?」

「火星ちゃんはあの子を・・くすぐってる」


もはや、くすぐったいという感じではない。サシミは目から涙を流し顎が外れそうになるほど大笑いしていた。大きな腕を支えている

手も足も震えている。


(ダ・ダメだぁ!!腕に力を入れてるから!さらにくすぐってぇ!腕の事しか考えられない!こんなふざけた野郎に!この俺が押されてるってか?ふざけんな!!でも・・)

「ブハッハッハァァァァ!!!プハッ!」


今尚笑い続けているサシミに火星ちゃんは仮面の奥で不敵にニヤリと笑いながら身体の動きをさらに加速させた。すると


「呪・・!」

(!!!しまった!!力が!)

「サシミ!」

「顔近いでちゅ!怖っ!!」


くすぐりで力が抜けてしまい怪物化した腕はまるで巻尺が戻るように一気に普通の猫の腕に戻ってしまった。もちろん元に戻った腕にも火星ちゃんは捕まっている。いや、捕まっているというよりはのっかかっている感じだった。二匹の顔の距離は息がかかるほど近い。


(まずい・・・この距離はまずい・・俺の懐に完全に入っちまった!もう拳を食らわせる事も、蹴ることもできねぇ。だけど逆に確定で決める事ができる攻撃もあるにはある・・・・やるしかねぇ!!)

「呪?」


サシミは息を吸って、頭を大きく後ろに仰け反らせると、


『頭猫ォォォォ!!!!』

「呪ッ死ッ!!!!?????」

「サシミ!?」「でちゅ!?」


歯を食いしばりながら物凄いスピードで火星ちゃんの頭に頭突きをかます。その勢いでか火星ちゃんは後ろに振っ飛んで行った。


「イッテェ!!!お前だけホッケーマスクなんて被りやがって。・・あ?血出てんじゃねぇか!!あいつの能力警戒しててよかったぜ。発動はしなかったみたいだが」

「さ〜つ〜し〜さ〜つ〜〜」


サシミは血が少し垂れている頭を抑え。火星ちゃんはフラフラと歩き目を回し、頭に星を浮かべている。


「サシミ!!いいから!もういいから!その子は仲間になるんだから敵対しなくていいんだよ!!」

「離せ!ただし!やかましいぞ!!前に約束したよな!お前は他人に迷惑をかける奴を倒す。俺はイラつく奴を倒すって、イラつくんだよ。俺がこんなボロボロになってんのが証拠だよ!」

「その頭の血はサシミンの自滅でちゅ」

「原因を作ったのはアイツなんだよ!」

「腕を伸ばしたのはサシミンでちゅ」

「ッ!!!」

「ちょ!サシミ!」


禎はサシミに近づくと両腕を拘束して持ち上げる。サシミの顔は怒りマックス。牙をむき出しジタバタと暴れるとそのまま手から抜け出した。


「というか!アイツの飼い主のお前を先に倒せばいいじゃねぇか!おい殴らせろ。この通り・・」

「・・・どの通りかわからないからヤダ。やっぱり君達は不思議だね〜あっちではそんな不機嫌な態度で物を頼むんだねぇ!そうだよね!!」


サシミは頭も下げず、万歳に向かってメンチを切っていた。


「それならやっぱりあの仮面猫をぶん殴る!!それでいいだろが!」

「ゴリ押した!?富士崎先輩もあの猫を止めてください!!」

「僕にはどうする事も出来ないよ。あの子が決めた事だからね。僕は見守るだけだよ。あの子はきっと何かを頑張ってるんだから・・」

「へ?」

「・・・・頑張って・・・いる・・」

「ちはるん?」


智晴は未だにクラクラ歩いている火星ちゃんを見つめている。その様子にハリちゃんは首を傾げた。


「私もそんな気がするんだ。あの猫ちゃんは何かを成し遂げようとしているような・・」

「ハリ達を倒すんじゃないんでちゅか?」

「うーん。違うと思うんだけどな〜」

「呪呪呪!!!!!」

「!」「でちゅ!?」

「・・復活しやがった」

「サシミ!!」


火星ちゃんは勢いよく飛び上がるとまたまたサシミ向かって走ってくる。それに負けじとサシミも自身の頰を叩くと火星ちゃんに向かって走る。


「アイツの狙いは俺たちを倒す事だ!倒さねぇとアイツは今見たく襲ってくるんだよ!!いつかは倒すんだ!それが今なんだよ!!!」

「殺ッ呪ッ!!!」

(頑張っている・・・本当に僕たちを倒す為に頑張っているのか?先輩はもう分かっているから止めないし教えてくれない。それを実行させるからだ。・・・僕にはあの枝でサシミを叩くようにしか・・・枝・・枝?・・!!!)








『あの猫ちゃんは何かを成し遂げようとしているような・・・』

「!!!!!!」

「殺ッ死ッ殺!!!!!」

「よっしゃ!かかって来いや!そん時がお前の年貢の納め時だぜ!!」


サシミは動きを止めるとこちらに走ってきている火星ちゃんに身構えた。その距離はドンドンと近づいてきている。すると














「サシミ!!!やめろ!!!!」

「・・澤畑くん?」「ただしん?」

「あ!?やかましいぞ!!ただ・・・し」


禎は叫んだ。それはもうものすごい声量である。サシミはその言葉に苛立ち、振り返るといつもの気弱な顔ではなく、怒りに近い表情をしていた。その形相にサシミ圧倒されていた。


「いいか!サシミ。これはお願いじゃない!命令だ!!その構えてる拳を下ろすんだ!!その場からも動くなよ!」

「ふ・・ふざけんな!攻撃を止めるだけならまだしも、動くなだと!?死んじまうぞ!!」

「死なない!!あの猫の目的は君を倒す事じゃない!!!動くな!」


更にサシミと火星ちゃんの距離が縮まる。火星ちゃんは両手に持っている木の枝を振り上げる。


「呪死ーーー!!!!」

「クソッ!!!わかったよ!!これであの枝をぶっ込まれたらお前もブチのめすからなーー!!!!!」

「ヤベェでちゅ!!サシミン!」


腹をくくったのかサシミはその場に座りこむ。火星ちゃんもすぐ目の前でジャンプすると枝をすごい勢いで振り下ろした。


(当たる!!やっぱり、倒そうとしてんじゃねぇか!!!!!)

(あの猫は頑張っているんだ。先輩が止めない理由が僕にはわかった!」


先の尖った枝がサシミに刺さる。


「殺ッ!!」

「グォォォォォ!!!!!!!!














は?」


と、思われたが枝はサシミには刺さらず、顔スレスレの位置に振り下ろされ、それをサシミの顔に押し付けてくる。


「呪?呪?死!!」

「な・・なんだ!?テメェ!何やってやがる!」

「・・・・「あなた達と友達になりたいな(^-^)これプレゼント( ^ω^ )」って言ってるよ・・」

「ぜってぇそんな事喋ってねぇだろ!!

「え・・同じマゼラブート星人なのに・・わからないの・・その枝・あげたいって・」

「この・・・枝がか?・・・ッ!!」


枝の先は火星ちゃんが木から折った為尖っていたが、反対の枝の先には、小さな蕾が咲いていた。


「花の・・蕾・・・」

「どっちの枝にもあるでちゅ・・・」

「火星ちゃんは、君と違って攻撃しなかったでしょ。友達になりたかった、ただそれだけなんだよ」

「自滅・・・アイツは能力で自分を守ってるだけだったってか・・・一気に力が抜けたぞ・・」

「呪?呪?」

「ハ・ハリにもでちゅか・・・」


もう一本の枝をハリちゃんに渡そうとしているのか智晴に向け押し付けようとしていた。ハリちゃんは更に智晴の胸に顔を埋める。すると


「はい!」

「ちはるん?」

「友達になりたいんだって!ね?」


智晴は両手でくっついているハリちゃんを地面へ下ろした。満面の笑みでハリちゃんに笑いかける。


「・・・・ありがとうでちゅ・・えーと火星ちゃんでちゅよね」

「殺!殺!」

「火星ちゃん・・火星ちゃん・・・マーズ・・・でちゅ!!マーズンでちゅ!!」

「呪呪殺呪殺!!!!!!!」

「何してんだお前ら・・」


自分より大きな枝を受け取るとハリちゃんはフラフラと歩きながら火星ちゃんに近づくと指をさしニックネームをつけた。火星ちゃんは嬉しいのか、空に向かって叫ぶ。


「呪?呪?呪?」

「ほら、サシミも・・」

「・・・・・・・・・・・チッ!わかったよ・・・・・・・・悪かったな・・・・・・だが!今後一切俺に触るな俺に近づくな!いいな!!!」

「ハリが最初に言ったことが当たってて仲良くできないんでちゅよ。全く、素直じゃないでちゅねぇ」

「マジだからな!!!」


サシミは枝を火星ちゃんから強引に奪い取ると火星ちゃんと距離をとった。目を離さないように。すると火星ちゃんは、


「呪〜殺ッ!!」

「ッ!!!だから近づくなって言ってんだろうが!!マジにぶっ飛ばすぞ!言葉の意味理解してんのか!?」


サシミに頰ずりを繰り出した。サシミはみるみるうちに真っ青になっていくが火星ちゃんは気にせずずっと頰ずりをしている。


「呪殺殺死呪殺殺死呪呪呪殺殺死呪殺殺死」

「・・・・「一目惚れ(//∇//)好きになっちゃったかも!\(//∇//)\キャーー(*≧∀≦*)」だって」

「・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ギャァァ!!!!!お断りだ!んなもん!!ていうかマジのマジにそんなこと言ってんだろうな!!呪いの言葉にしか聞こえないんだが!!同じ猫なのにわかんねぇぞ!!」

「呪!呪!」

「ほら・・首振ってる・・」

「ヒューヒューでちゅ〜!」「ヒューヒュー!!」

「すぐイライラするサシミがっ!よかったねっ!サシミっ!!」

「よーしお前らそこに並べ。ぶん殴ってやる!!!!そんでお前は早く離れろ!仮面が擦れて痛いんだよ!!!」


サシミは左拳を怪物化して禎達を睨みつけ、空いた右手で火星ちゃんを引き剥がそうとしている。しかし火星ちゃんは一向に離れようとしない。それどころか、サシミの右手を握った。


「呪!呪!!」

「あ?」

「・・・・「行こψ(`∇´)ψあっちで交信を受信しないとo(`ω´ )o行くぞー\( ˆoˆ )/」だって・・」

「は?何言ってドワァァァ!!!!!」

「サシミ!!」「サシミーン!!!」


サシミに顔を近づけると右手を握ったまま急に走り出す。サシミは抵抗する間もなく、まるで連れ去られるようだった。怪物化している拳も一瞬で能力半径外へ出てしまい、元の小さな手に戻った。


「呪・・呪・・呪・・呪・・呪・・」

「交信だ?受信だ?









お前だけで行きやがれぇ!!!」







残り・426チーム




ありがとうございました。


次こそは早く投稿したいです!

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