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俺の飼い主 僕の異能力ペット  作者: 一つの装置
怪物獣道ファング 願いを求める500チーム
53/93

48話 人間を噛み潰したよう

ガムは苦手なんですよねぇ。歯の裏にくっつくから


よろしくお願いします!!

「クチャックチャクチャックチャ」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「スゥ・・スゥ・・」


黄色い線、そして権兵衛が消え代わりに目の前にはガムを噛んでいる猫がいる。その飼い主も同じくガムを噛み膨らませていた。


(・・『レア物』・・この猫くんはその『レア物』・・あの黄色い異能力ペットが言っていた『レア物』・・・)

「あのさー」

「!!!」

「あんたら何もしないの?あーし待ってるんですけど。まぁ見る限り、片方は飼い主が気絶。もう片方は寝てるから何も出来ないのかなぁ?」


その言い方は人を馬鹿にしているという言葉がピッタリ当てはまる。ガムを噛みながらじゃべっているから更に頭にくる。隆弘はというと、寝ているあんころと気絶している由里香、そしてサックを守るかのように腕でみんなを取り囲んでいた。


「・・君はどうするのだ・・」

「あーし?あーし達はあの鳥に連れてこられただけだし、ヒカリは結構前にここに着いたけど、あーしは今着いたばっかだからマジ頭痛いし耳キーンってするし最悪なわけ。あの鳥には代わりに相手してあげろって言われたけど、あんたらがそんな状況じゃあね・・・・
















一方的になっちゃうじゃん」

「!!!」「ッ!!」


そう言うと何やら薄紫の丸く柔らかそうな物が猫の身体中から次々と出てくる。四方八方に。


(なんだ・・・!?あの空中でフワフワと・・まるで風船、いやアレはシャボン玉。無数に飛んでいるあのシャボン玉は一体・・)

「・・たかひろさん、逃げましょう。あんころさんとゆりかさんをオブって逃げるんです」

「・・・・・歩くことは出来る。だが、走ることはできない。ましてや女の子と猫をおぶるなんて。すまない。まだ完全に体力が全開になったわけじゃないんだ。あのシャボン玉がどんな能力かはわからないが、アレを掻い潜って逃げれる自信が僕には無い!」


これ程までに体力を使うとは。隆弘はあんころがどれほど凄いのか心から実感した。すると猫はガムを噛んでいる口を止めると、


「・・聞こえてるしー」

「!!」「!!!」

「あーし猫だから耳良いんだよ。聞いてればあんた・・・鈍すぎでしょ♪あーしのこの玉はシャボン玉でも風船ですら無いんですけど・・匂いでわかんない・・?鼻でも詰まってんの?」

「匂い・ですって?・匂いなんて・・」

「・・・する・」

「ッ!!」


その匂いは漂っていた。注意深く嗅覚を使わなければわからないその匂いは浮遊している物体から匂ってくる。


「甘ったるい、ぶどうの匂いが・・・・」

「まさか!!!」

「ご名答!!そのまさかだし!この空中にあるのはあーしが生み出したガム!ガムの塊!風船ガム!!変幻自在!逃げたかったら逃げればいいし。どうせ逃げれないしー」

「・・・・質問だ・・」「たかひろさん!?」

「ひぇ?」


たかひろはあんころ達を離すとその場に立ち上がる。


「さっきの犬を連れて行った関西弁の異能力ペットは君の仲間か・・それが気になるのだ」

「・・・仲間?あの鳥が?・・・違うし!!まるであーしとアイツが同等みたいないい方するんじゃ無いし!あーしはいつだってアイツを裏切ってぶっ殺してもいいしー。仲間じゃない。あーし達は













同志だし・」

「同志・・・だと・?」

「そのまんまの意味ですけど。同じ道を志した。ただそれだけ・・まぁ、信じてなんかいないけどね。言葉だけの関係。でも〜『あの方』だけは別だし♪」

「あの方・・?」


猫は嬉しそうに頰を赤く染めながら身体をクネクネ動かしている。


「あーし達同志達のトップ♪ボスって言ったらわかる?顔も声も能力も性格も匂いも知らないけど、鳥から『あの方』の話を聞いただけでその神々しい姿が思い浮かんだし!!『あの方』ならこの異能力ペットバトルで勝利する事ができる!!!」

「・・・・・・・」


異常な光景だった。普通の憧れでも恋でも無い。依存。猫の言う『あの方』に完全に依存をしている。


「ちょっとシフォン・・喋りすぎよ・・」

「わかったし。あんたらを倒せとは言われてないけど、異能力ペットが少なくなるに越したことはないしね。チャンスだし死んじゃえ♪」









風船噛(バブルガム)

「!!!!」


シフォンが手を振るうと最も隆弘達の近くにある、ゆらゆら浮遊している風船ガムが顔に近づいてくる。他の風船ガムと違って一回り小さかった。


「そのガムがアンタの顔に当たったらどうなるんだろうね!!死なないのかな?死んじゃうのかな?アンタだけかな?あんたら全員かな!!当たればわかるし何事も!!」

(どうなる・この風船ガムが私達に当たればどうなるんだ!この猫くんは自信がある。私を完璧に倒せると言う自信が。こんな小さな風船ガムだとしても油断したら・・やられる。どうする、息を吹いて遠ざけるか?いいや猫くんが操っている。意味はない。この風船ガムを避けたとしてもきっとまたこのガムは追ってくる。このガムじゃなくてもたくさん浮遊しているガムが襲ってくるかもしれない。なら・・・それなら!!)


徐々に近づいてくる風船ガムを隆弘はじっと見つめると、覚悟を決めたかのように


「・・・・・っ!!!!」

「たかひろさん!?何を!!」

「おほっ♪マジで?」


向かってくる風船ガムに掌を近づけたのだ。徐々に近づいてくる風船ガム、それと同様に隆弘は掌を近づける。


「たかひろさん!!何してるんですか!どんどん近づいてくる!!!」

「これでいい!!風船ガムを私が手で包み込む。掴むんだ。掴める大きさなんだ。このガムは!!!そうすればきっと、少なくとも私だけがこの能力を食らう!」

(アンタのその行為は予想外。だけど、その行為は賢くないよ。確かにアンタの言う通りそれを掴んで握りしめればあーしの能力の餌食になるのはガムを掴むアンタだけ、そうアンタだけが・・・・!










破裂する♪)


シフォンは嬉しそうに口角を上げる。隆弘の掌が風船ガムに覆いかぶさり、握り締めようとした時、



カサカサッカサッ!






「!!!」「は?」

「・・・・今のは・・塀から何かが・・」


学校の塀から何かが木を揺らして飛び出してきたかのような音がした。凄いスピードで。目を塀へ向けていれば何が出てきたかわかっていた。しかし見ていなかった。当然である。全員の目線は隆弘の手と風船ガムに釘付けだった。その何かがどこに消えて行ったのかもわからない。隆弘は驚いて掴もうとした手を引き、その何かがどこに行ったのか辺りを見渡す。すると


「グォォォオオォォォオオオオオオオォォォオ!!!!!」

「なっ!!」「!!!」

「は?何?」


凄い叫び声がした。喉が潰れるのではないかと心配する程の声量だ。


「・・何処かで聞いたことがあるような声が・・」

「たかひろさん!!上を!」

「はっ!!」


サック達が勢いよく上を見る。全ての答えが天空にはあった。その答えは勢いよく地面に降りてくる。







「ヘぶっ!!!!!」

「・・・・・」「・・・・」

「・・・・・・・」


一つの答えは顔を思いっきり地面にぶつけて。そしてもう一つの答えは


















「殺殺!!!呪殺!!!!!」

「・・・な・」「・・・・」

「・・・・・」


隆弘が掴もうとしていた風船ガムを左足で踏んづけて。綺麗に両足で着地した。空中に向け叫びながら。











正解はサシミと火星ちゃんだった。


「サシミ・・・くん?サシミくん!!!」

「その隣の生き物は・なんですか・・・」

「・・・・ガ・・・ギ・・・・」

「呪〜呪〜呪〜呪〜呪〜呪〜」


未だ地面に顔をぶつけ、サシミは身体をピクピク動かしている。火星ちゃんは横にいるサシミがこんな状況なのに、サシミの腕を離さず驚いている猫とガムを噛んでいる飼い主を交互に睨んでいた。すると


「ゴラァァァァ!!!!マスクコラァァァ!!!あんなジャンプしやがって!まだ頭から血出てんのに今度は鼻をやったぞ!そんでもってこの手を離せ!!片手にまだ枝持ってんだから、これじゃ両手が塞がって着地なんてできやしねえっ!!」


サシミは鬼の形相で顔を上げるとそれと同時に腕を掴んでいる火星ちゃんの手を乱暴に振りほどくとよろよろと立ち上がった。イライラしながら。


「呪」

「呪、じゃねぇ!!そこはごめんなさいだろうが!!クソッ!何喋ってっかわからねぇんだよ!」

「サシミくん!!一体・・・その子は」

「あ?」


サシミは気付いていなかったのか横を向くとそこには気絶している由里香。眠っているあんころ。ボロボロなサックと息を切らしている隆弘。たくさん浮遊している風船ガム。一言では説明ができない。異様だった。


「コイツが例の異能力ペットだよ!そんなことは後で話す!どうしたこの光景は。周りで浮いているコレはなんだ!!なんでそいつらは倒れてるんだ!!俺にわかるよう説明しやがれ!!!たかひろ!!」

「グオッ!!!あんころとは大違いだ・・」


サシミは隆弘に近づくと顔を近づけ胸ぐらをつかんだ。イラついている。火星ちゃんを仲間にしようと言った隆弘に。火星ちゃんに。すると、


「・・・・・もう少しだったのに」

「あ!?」


シフォンはガムを噛みながらサシミを睨みつける。サシミはガンを飛ばす。


「もう少しで破裂してたのはそこの男だったのに、キモい猫が踏み潰したせいで・・・威力が半減しちゃったし。弱い威力がさらに弱く・・」

「なんだテメェ。この周りに飛んでいる物体の異能力ペットか?踏み潰した?何をだよ・・キモい猫・・・おいマスク・足の裏見せろ」

「呪?」


火星ちゃんはサシミに言われた通り、風船ガムを踏み潰したであろう左足を上げ、裏を見た。


「呪!?」

「んだよ・・これ!!」

「!!!!」


火星ちゃんの足の裏は血塗れだった。柔らかそうな肉球から血が吹き出ている。そして足を上げるまで気づかなかったがその地面までもが血塗れ。それだけではない。その血塗れの地面にはさらに亀裂が走っていた。




「マジうざいんですけど・・・・














殺し損なったし」
















残り・426チーム




ありがとうございました!!



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