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天井を蹴る

 ②を選ぶにはうってつけの場所がある。先ほどの闘技場だ。あそこは人気ひとけがないし、頑丈だ。なによりあの鎖がある。あれならばこのバケモノであっても縛ることができるはずだ。だが、誘い込む際に周囲に被害が広がる可能性がある。両者を天秤にかけた場合ではこれは選び取れない。

 ③の場合も同様、こいつが二次被害をもたらさないという確証がない。


 となればとるべき行動は一択しかなかった。


 盾の力を使いバケモノの爪をはじきとばすと距離をつめるために跳躍する。それを待ち構えていたかのようにバケモノは尾による薙ぎ払いを敢行してくる。

 それを中空で盾によるガードの姿勢で迎えうつ。

「危ないッ」

 ベリトが短く叫ぶ。

 しかし、パズズにとってそれは何の心配もないものであった。盾、その周囲に張り巡らされたその大気。気流が天然のエアバッグとなって持ち主である自分の体を包みこむのだ。衝撃も最小限度のものであり、風に傘が煽られた程度の感触しかなかった。そのまま天井にまで巻き上げられるかのように着地する。

 天井なのに着地と表現するのは変かもしれない、だが事実そのとおりパズズは上下逆さに着地をし、バケモノの頭上をとった。

 一瞬、目があう。

 バケモノの瞳には感情があった。憎悪、悲痛、悔恨、嫉妬、憤怒それらがないまぜに渦巻いた色。

 剣を握る右手にその膂力を込める。

 パズズは盾の気流で自分が選ぶべき最短にして最速の一本線を導き出していた。それにむかって今度は天井を大地に跳躍する。

 光の線がバケモノの首横をすり抜け、大理石の床へと到達する。

 それから数秒後。

 バケモノの首から赤い血が噴水のように噴き出した。


「まさかあの≪大空の盾スヴァリン≫をあそこまで使いこなせる者がいたとはな……」


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