再会
本来ならそこは議会に使われる公会堂のような場であったはずだろう。だが、おそらく整然とされていたはずの机や椅子は無残に薙ぎ払われ、空間の端へと追いやられている。死体がそこかしこに見えたがどれも大きな獣の爪で肉をそぎとられたかのような無残な姿となって散らばっていた。
いくらか生きている人間もいた一塊の集団となって、小さな陣形を組んで一体の相手に立ち向かっている。
一体の相手。それは巨躯と表現するに足りていた。高さ五メートルほどの天井に頭が届かんとしており、筋骨隆々としている。人間のようなシルエットをしているがその体を構成している部分は大きく違っている。
獅子のような頭と腕を持ち、その背に巨大な翼を四枚、足には鷲のような鋭い爪、尾の先はサソリに似た針を持っている。
二足歩行する合成獣としか形容できなかった。
「なんなのあのおぞましいバケモノは」
その尾の一薙ぎで陣形が崩れ前衛が跳ね飛ばされる。体勢を崩した名もなき兵士をそのまま足の爪で四肢を切り裂きながら踏みつぶした。怪物の隙を見て後ろから躍りかかった兵士もその尾の針でなんなく串刺しにされた。
集団の中心にいた人物、人間と比べれば巨漢と表現していいだろう。その男にその獅子のような腕が伸びていた。
ガァァァンン
間一髪と表現するべきか、盾を掲げてその間に割ってはいることができた。
「いちおう聞いておくが、こっちのバケモノが君のお父さんってわけじゃないよな」
「なわけないでしょ」
盾越しからでも想像以上の力を感じる。
「この世界にはこんなバケモノまで存在すんのか」
「いやワシの知る限りこんなバケモノは今まで確認されたことがない。文献にある巨人やもしれぬ」
もし仮に巨人だとしたら、うかつにダメージを負うことは避けておいたほうがいいかもしれないな。そうもいってられない様子だが。
盾の内側に内蔵されていた剣を引き抜き構えた。




