~悪魔との闘い~ー4
彼女は目を覚ますと全身が痛みで動かせなかった。
『何とか命だけは助かった』
そういうと彼女は治癒魔法を自身にかけた。全身が動かないほどの傷を受けたのだが、魔法のおかげですぐに感知した。彼女は座り込み、両手を思いっきり伸ばすした。
『イタァッ、どれぐらい寝ていたんだろう』
彼女は上を見上ると薄暗い光を感じた。
『もう夕方だわ』
顔を崖から突き出し下を除きこむとそこがすごく深い穴だと気づいた。彼女が居た場所はまさに崖っぷちだった。
『一番下まで落ちてたら死んでたわね』
彼女は二本の指をくわえ”ぴゅ~~”と鳴らす。すると数分後に大きな鷹が空から現れ彼女の横に姿勢を保ち浮遊した。
『生きてたのね。ホーク!』
彼女はその鷹に飛び乗った。彼女を乗せた鷹は穴を抜けるように上に飛んだ。光が徐々に強くなってきた。そして、彼女は異変に気付いた。
『え、今ってこんなに明るいの!どんだけ深かったのよ』
彼女は穴を覗き覗き込み、その深さを改めて実感した。そしてようやく穴を抜け出した。
『噓でしょっ。この穴って、私の家が建っていたとこよね。アレがこの穴を作ったの⁉』
そこには底の見えない半径10キロほどの穴があった。
彼女はホークに地面に降ろしてもらうと、腰に付けた小さな角笛を取り外し、軽く吹いた。数分後、凄まじい速度で森から足が6本ある馬が飛び出して、彼女の元に駆け寄ると彼女の顔をなめまわした。
『久しぶりね。スレープ。わかったから、ちょっとやめてよ』
彼女は久しぶりの友人に会えてうれしそうな表情を浮かべていた。そして、彼女は馬にまたがると森の中に消えていった。
この馬が数々の戦場を駆け、のちにスレイプニルと恐れられる馬になる話はまた別の機会にするとしよう。
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
ブクマ、評価など頂けると嬉しいです。
章ごとに違うお話なので気になった章だけでも、どうぞ見て言ってください。
同じ世界戦の話なので繋がりはあったりなかったりしますが……。
個人的に好きなのは5章です。
よろしくお願いします。