~愛の悲劇~ー5
ある日のこと。すべてはこの日に境に動き出した。いつものようにマーガレットとジャックは川岸で楽しく会話をしていた。すると森の中から3人の男エルフが出てきた。
『そういうことだったのか』そう言い3人が近づいてくる。
『最近、お前が一番で川魚を大量に売っているって言う情報を聞いてな、着いて来てみたらこんなからくりだったとはな』左端のエルフが言った。
『どうやって、手なずけたんだ。そのマーメイドを』真ん中エルフが言った。
驚きのあまり、ジャックは固まっていた。どうやら真ん中にいるエルフが親玉らしい。
『おい。あのマーメイドを捕まえろ!』親玉が言った。
それを聞き両隣のエルフが走って来た。
『マーガレット、逃げるんだ』ようやく声をだしたジャックだが少し声が震えていた。ジャックの声を聞き、マーガレットは水の中へと潜った。
『チっ。マーメイドを捕まえれば高く売れたのにな』そう言って親玉がジャックの元に来た。ジャックはとっさに腰の短剣に手を伸ばした。それを見た親玉があざ笑うように言った。
『おいおい。お前は俺達には手は出せねぇよ。俺達に手をだしたらどうなるか知らないわけではないだろ……?』
そう彼らは貴族の息子達で、その立場を利用してはいろいろな人に迷惑をかけている。下層に住むエルフの中では有名な3人組だ。
『その魚、俺たちにくれよ』親玉はそう言うとジャックの横においてあった籠を顎で指した。
『こ、これは…』ジャックはマーガレットに捕ってもらった魚をこいつらには渡したくないと思い言葉が詰まった。
『まぁいい。力ずくで貰うからな』そう言うと3人がかりでジャックに殴りかかった。
ジャックは抵抗しようとするが、家族のことを考えると手が出せなかった。以前、こいつらに歯向かったエルフが家族もろとも殺されたのを知っていたからだ。ジャックは何もできない自分の惨めさに悲しくなった。殴られ続け、ジャックは意識が飛びそうになっていた。そんな時、額に水滴が落ちった。少年の1人の拳が血まみれになっていた。
『あいつ……』風穴が空いた手を抑えながら少年がつぶやいた。
川の中からマーガレットが水を銃弾のように飛ばしたのだ。
『あいつ殺してやるっ!!』そう言うと、他の2人もマーガレットの方に走って来た。少年らは川に入っても歩みは止めなかった。その顔には怒りがにじみ出ていた。少年たちは短剣を取り出した。
『マーガレット!逃げろ!』そう力を振り絞ってジャックが叫んだ。
『わ、私は』普段大きな声を出すタイプ出ないマーガレットが大きな声で言った。
『私は、あなたを見捨ててここを立ち去ることはできない!!』それを聞きジャックは少し嬉しくなったが、最後の力を振り絞ってさらに叫んだ。
『逃げるのも勇気だぁ!勝てない時は逃げろ。命を無駄にするな。俺はお前に傷ついてほしくないんだぁよぉ』マーガレットはそれを聞き、泪を流しながら海の方に泳いでいった。(ごめん) マーメイドは心の中でそう何度も繰り返した。
『逃がすな』
そう親玉が言い、三人は弓を引き放った。無数の弓がマーガレットに向かってくる。マーガレットは深く潜ったおかげで矢に当たらなかった。そして、無事家まで戻れた。
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